Tags: 「ザックを枕にしたけど、ゴツゴツして眠れなかった…」 「着替えを詰めたスタッフバッグが、夜中に何度も崩れる…」

そんな「山の睡眠不足」に悩んでいませんか?多くの登山者が「枕なんて贅沢品」「着替えを詰めればいい」と考えがちですが、実は「枕(ピロー)」こそが、翌日のパフォーマンスを左右する最重要ギアの一つなのです。

たかが枕、されど枕。数百グラムの荷物を増やすだけで、翌日の疲労感が劇的に変わるとしたら?高山病のリスクさえ減らせるとしたら?

この記事では、登山ガイドの先生と登山初心者のJKが、登山用ピローの重要性と選び方、そしておすすめのモデルについて徹底解説します。

Image Prompt: A photorealistic image of a hiker sleeping comfortably in a tent using a dedicated camping pillow. The pillow looks soft and supportive. The hiker has a peaceful expression, contrasting with a thought bubble showing a previous uncomfortable night using a backpack as a pillow.


登場人物紹介

JK (女子高生)
登山初心者。これまでは「着替えを入れたスタッフバッグ」を枕にしていたが、毎回高さが合わずに苦戦している。「荷物は増やしたくないけど、安眠はしたい」というワガママな悩みを持つ。

先生 (登山ガイド)
登山歴20年のベテラン。睡眠の質には人一倍こだわりがあり、日帰り登山でも枕を持っていくほどの愛好家。「枕が変われば山が変わる」が持論。


なぜ「登山用ピロー」が必要なのか?

JK
先生、枕って本当に必要ですか?私、いつも着替えを入れた袋を枕にしてるんですけど。
先生
ふむ。それで熟睡できているか?
JK
うーん、夜中に何度も目が覚めます。中身が偏ったり、チャックが当たって痛かったりして…。
先生
それだ。「スタッフバッグ枕」の限界はそこにある。具体的に何がダメか教えてやろう。

スタッフバッグ枕の「4つの地獄」

  1. 高さが合わない: 中身の量によって高さが変わるため、常にベストな高さをキープできない。
  2. 形が崩れる: 寝返りを打つたびに中身が移動し、夜中に何度も形を整える羽目になる。
  3. 硬さが不均一: ジッパーやボタン、畳んだ服の縫い目が顔に当たり、不快感で目が覚める。
  4. 滑る: ナイロン製のスタッフバッグは、マットの上でツルツル滑り、気づけば頭が落ちている。
JK
うわぁ、全部当てはまります…。特に「滑る」のがストレスなんですよね。
先生
だろう?これでは熟睡できるわけがない。睡眠不足は集中力を低下させ、転倒や滑落のリスクを高める。さらに、呼吸が浅くなることで高山病にもなりやすくなるんだ。
JK
えっ、高山病にも関係あるんですか!?
先生
もちろんだ。枕が合わないと気道が確保できず、酸素の取り込みが悪くなるからな。だからこそ、登山用ピローは「贅沢品」ではなく「安全装備」なんだ。
JK
知らなかった…。私、完全に舐めてました。
先生
登山用ピローは、「頭を安定させる形状」「適切な高さ」をキープしてくれる。これにより、首の筋肉がリラックスし、深い眠りを得ることができる。
JK
でも、荷物が増えるのは嫌だなぁ。
先生
最近のピローは驚くほど軽いぞ。卵1個分(約50g〜)の重さしかないものもある。
JK
え、そんなに軽いんですか!?それなら持っていけるかも。

登山用ピローの種類と選び方

先生
登山用ピローには、主に3つのタイプがある。それぞれの特徴を知っておこう。

1. エアー式(空気注入タイプ)

  • 特徴: 浮き輪のように空気を入れて膨らませる。
  • メリット: 圧倒的に軽くてコンパクト。使わない時は手のひらサイズになる。高さ調整が自在。
  • デメリット: 寝心地が少しボヨンボヨンする。パンクのリスクがある。
先生
荷物を極限まで減らしたいUL(ウルトラライト)ハイカーにはこれがおすすめだ。

2. フォーム入り(スポンジタイプ)

  • 特徴: 中にウレタンフォームなどが入っている。
  • メリット: 寝心地が抜群に良い。家の枕に近い感触。
  • デメリット: 収納サイズが大きく、重い。
先生
オートキャンプや、荷物に余裕がある時はこれ一択だ。寝心地は最高だぞ。

3. ハイブリッド式(エアー+フォーム)

  • 特徴: 空気の層の上に、薄いフォームやダウンを載せている。
  • メリット: 軽さと寝心地のバランスが良い。ボヨンボヨン感が少ない。
  • デメリット: エアー式よりは少し重く、かさばる。
先生
今の主流はこれだ。私も愛用している。

先生の失敗談:枕を忘れた夜の悲劇

JK
先生も枕を忘れたことあるんですか?
先生
あるぞ。急いでパッキングしていて、家に置き忘れたんだ。その日は北アルプスの縦走で、疲労困憊だった。
JK
どうしたんですか?
先生
仕方なく、雨具とフリースをスタッフバッグに詰めて枕にした。だが、その日は雨で、雨具が濡れていたんだ。
JK
うわ、最悪…。
先生
湿っぽくて気持ち悪いし、ゴワゴワしてうるさいし、滑って逃げていくし…。結局、一睡もできずに翌朝を迎えた。その日の登りは体が重くて地獄だったよ。それ以来、予備の枕を車に積んでおくほど徹底している。
JK
先生でもそんな失敗するんですね(笑)。やっぱり専用品って偉大なんだなぁ。

Image Prompt: A comparison image showing the three types of camping pillows: Air (compact, inflated), Foam (bulky, soft), and Hybrid (balanced). They are placed side-by-side with their packed sizes shown below each for comparison.


先生おすすめ!登山用ピロー3選

JK
結局、どれを買えばいいんですか?
先生
私が実際に使って良かった3つのモデルを紹介しよう。

1. 寝心地の王様:ニーモ「フィッロ エリート (Fillo Elite)」

  • タイプ: ハイブリッド式
  • 重量: 約80g
  • 特徴: 肌触りが最高。カバーが洗濯できる。
先生
これは傑作だ。空気を入れるタイプだが、表面に薄い断熱材が入っていて、肌触りが非常にソフトだ。カバーを外して洗えるのも衛生的でいい。
JK
洗えるのは嬉しい!女子ポイント高いです。

2. 軽さの極致:シートゥサミット「エアロ ウルトラライトピロー」

  • タイプ: エアー式
  • 重量: 約60g
  • 特徴: とにかく軽い。カーブ形状が頭にフィットする。
先生
荷物を1gでも削りたいならこれだ。独自のカーブ形状が頭を包み込み、エアー式特有の不安定さを軽減している。
JK
60gなら持ってること忘れそうですね。

3. コスパ最強:100均の「エアー枕」+「タオル」

  • タイプ: 自作ハイブリッド
  • 重量: 不明(タオル次第)
  • 特徴: とにかく安い。
JK
え、100均ですか?
先生
あなどるなかれ。100均のエアー枕に、手持ちのタオルやバフを巻くだけで、肌触りが劇的に改善する。まずはこれで試してみるのも賢い方法だ。
JK
先生、急に庶民的になりましたね(笑)。でも試してみようかな。

枕をズレさせない「裏技」

JK
枕って、寝てる間にどこかに飛んでいきませんか?
先生
よくある悩みだ。マットの素材によっては滑りやすいからな。そこで「固定テクニック」の出番だ。

1. マットのストラップを使う

先生
シートゥサミットなどの一部メーカーは、マットに枕を固定する専用システム(ピローロック)を採用している。これなら絶対にズレない。

2. バフやTシャツで包む

先生
マットの上部と枕を、大きめのTシャツやバフで一緒に包んでしまうんだ。こうすれば簡易的に固定できる。

3. ザックのフードに入れる

先生
マミー型シュラフなら、フードの中に枕を入れてしまうのも手だ。これなら頭と一緒に動くからズレようがない。
JK
なるほど!フードに入れるのが一番簡単そうですね。

枕のメンテナンスとQ&A

JK
枕って洗えるんですか?汗とかヨダレとか気になります…。
先生
良い質問だ。メンテナンスは重要だぞ。

Q1. 洗濯はできる?

先生
多くのハイブリッド式やフォーム式は、カバーを取り外して洗濯できる。エアー式の場合は、中性洗剤を含ませた布で拭き取るのが一般的だ。購入前に「カバーが外せるか」を確認するのは重要なポイントだ。

Q2. 保管方法は?

先生
エアー式やハイブリッド式は、バルブを開けて湿気を逃がしてから保管する。フォーム式は、圧縮したままだと反発力が弱まることがあるので、できれば広げて保管するのがベストだ。

Q3. レンタルじゃダメ?

先生
山小屋によっては枕があるが、衛生面が気になる人もいるだろう。それにテント泊では自分で用意するしかない。自分専用の枕があるという安心感は大きいぞ。

Q4. 100均の枕じゃダメ?

先生
さっき紹介した通り、工夫次第で使える。ただし、耐久性は低いから、予備として持っておくか、あくまで「お試し」として割り切るのがいいだろう。山でパンクしたらただのゴミだからな。

まとめ:枕は「贅沢品」ではなく「必需品」

JK
先生、私、次はニーモのフィッロを買ってみます!首が痛いのはもう嫌です。
先生
良い判断だ。山での睡眠は、翌日の安全登山に直結する。枕への投資は、自分への投資だと思えば安いものだ。
JK
はい!これで山でも爆睡して、元気に登ります!

登山用ピロー選びのポイント

タイプ おすすめユーザー 代表モデル
エアー式 荷物を軽くしたい人 シートゥサミット エアロUL
ハイブリッド式 寝心地と軽さの両立 ニーモ フィッロ エリート
フォーム式 寝心地最優先の人 サーマレスト コンプレッシブルピロー
先生
さあ、これで寝具(シュラフ、マット、枕)の三種の神器が揃ったな。
JK
完璧です!早くテント泊に行きたい!

免責事項

本記事の内容は、筆者の個人的な経験と見解に基づいています。登山用品の選択は個人の体質、登山スタイル、目的によって異なります。購入前には必ず専門店で実物を確認し、スタッフに相談することをお勧めします。また、重量などのスペックはメーカーの仕様変更により変わる場合があります。最新の情報はメーカー公式サイトをご確認ください。登山は自己責任で行うアクティビティです。安全には十分配慮し、無理のない計画を立てましょう。

ザックを枕にすると首が痛い!「登山用ピロー」で睡眠の質を上げよう

Image Prompt: A cozy tent interior at night with a small inflatable camping pillow on a sleeping pad. The pillow looks compact yet comfortable. A headlamp provides warm light. Mountain camping scene. Photorealistic, high quality.

1. 導入:枕がないと眠れない問題

JK
先生、この前テント泊した時、ザックを枕にしたんですけど…首が痛くて全然眠れませんでした。朝起きたら寝違えてて、下山中ずっと首が回らなくて。
先生
ああ、ザック枕の洗礼を受けたか。初心者がよくやる失敗だ。
JK
でも、登山用の枕なんてあるんですか? 家の枕を持っていくわけにもいかないし…。
先生
もちろんある。登山用ピロー(枕)は、小さく軽く、それでいて首と頭をしっかり支えてくれる優れものだ。重さはわずか50〜100gで、収納すればポケットサイズになる。
JK
えっ、そんなに小さいんですか!? でも、それってちゃんと枕として機能するんですか?
先生
ふふ、疑い深いな。だが、一度使えば手放せなくなるぞ。『たかが枕、されど枕』だ。睡眠の質が劇的に変わる。今日は、登山用ピロー の選び方と、おすすめモデルを解説しよう。

2. 登場人物紹介

JK (女子高生) 登山初心者。家では枕がないと眠れないタイプ。ザック枕で寝違えた経験あり。快適な睡眠への執着が強い。

先生 (登山ガイド) かつては「枕なんて贅沢品」と思っていたが、ピロー導入後、テント泊の睡眠の質が激変した経験を持つ。今では必携アイテムに昇格。


3. 概要:登山用ピロー(枕)の必要性

先生
まず、『なぜ枕が必要なのか』を説明しよう。人間の首(頸椎)は、自然なS字カーブを保つことで、血流や神経を圧迫せずに済む。だが、枕がないと…
JK
首が変な角度になって、朝起きたら痛いってことですね。
先生
その通り。ザックを枕にすると、高さが合わず、首が反った状態や、逆に前かがみになったりする。これが寝違え頭痛の原因になる。そして、睡眠の質が下がると、翌日のパフォーマンスも落ちる。
JK
確かに…。下山中、首が痛くて景色を楽しむ余裕なかったです。

登山用ピローの3つのタイプ

先生
登山用ピローには、大きく分けて3つのタイプがある。
  1. インフレータブル(空気注入式)

    • 息を吹き込んで膨らませるタイプ。
    • メリット:軽量、コンパクト、高さ調節可能。
    • デメリット:パンクリスク、膨らませる手間。
    • 代表ブランド:Sea to Summit, Nemo, Therm-a-Rest
  2. セルフインフレータブル(自動膨張式)

    • バルブを開けると自動で膨らむ。中にウレタンフォームあり。
    • メリット:膨らませる手間が少ない、パンクしても完全には潰れない。
    • デメリット:やや重い、やや嵩張る。
    • 代表ブランド:Therm-a-Rest, Exped
  3. スタッフサック(衣類詰め込み式)

    • 専用の袋に、着替えやダウンジャケットを詰めて枕にする。
    • メリット:超軽量、荷物が減る、パンクしない。
    • デメリット:高さ調節が難しい、安定感に欠ける。
    • 代表ブランド:Sea to Summit, Granite Gear
JK
なるほど。私は『軽さ』と『快適さ』のバランスが良いのが欲しいです。
先生
それなら、インフレータブルタイプが最適だ。それぞれ詳しく見ていこう。

4. 各モデルの詳細解説

(1) 軽量&快適「Sea to Summit Aeros (シートゥサミット エアロス)」

Image Prompt: A close-up of the Sea to Summit Aeros pillow in bright blue color, inflated and showing its ergonomic curved shape. The pillow has a soft jersey fabric cover. Camping background.

先生
まず紹介するのが、登山用ピローの定番中の定番『Sea to Summit (シートゥサミット) Aeros (エアロス)』だ。
JK
シートゥサミット…長い名前ですね。
先生
オーストラリアのブランドだ。Aerosは、重量わずか60g(レギュラーサイズ)で、収納サイズは卵サイズ。それでいて、膨らませるとしっかりした枕になる。

機能とメリット

  • 超軽量: 60gは、おにぎり1個分の重さ。ザックに入れても気にならない。
  • 曲線形状: 人間工学に基づいた湾曲デザインで、首のカーブにフィット。
  • ジャージ素材のカバー: 表面が柔らかい布地で、肌触りが良い。ビニール特有の「ツルツル・冷たい」感じがない。
  • バルブが大きい: 空気の出し入れが速い。膨らませるのも萎ませるのも楽。
  • 高さ調節可能: 空気の量で、自分好みの高さに調整できる。
JK
60g! 軽すぎません!? これなら持っていくの全然負担じゃないですね。
先生
そうだ。そして、肌触りの良さが重要なポイントだ。安いエアピローだと、表面がツルツルのビニールで、頭が滑って不快なんだ。Aerosはジャージ素材だから、家の枕に近い感触がある。

【重要】リアリティとデメリット

JK
でも、空気を入れるのって大変じゃないですか? マットと同じで、息で膨らませるんですよね?
先生
そうだ。ただし、ピローはマットよりずっと小さいから、10回ほど吹き込めば完了する。慣れれば30秒もかからない。
JK
それなら大丈夫そうです。他にデメリットは?
先生
パンクのリスクだ。エアマット同様、穴が開くと使えなくなる。ただし、ピローは地面に直接触れないから、パンクする確率はかなり低い。それでも、爪で引っ掛けて破くことだけは注意しろ。
JK
わかりました。爪は短く切っておきます(笑)。
先生
もう一つ、価格が約5,000円〜6,000円と、枕にしては高め。だが、睡眠の質を考えれば、十分投資する価値がある。

Q&A

  • Q: サイズは選べますか?
    • A: レギュラー(35×25cm)とラージ(38×28cm)がある。身長170cm以下ならレギュラーで十分だ。
  • Q: 洗えますか?
    • A: 表面のジャージ生地は手洗い可能。汚れたら中性洗剤で優しく洗おう。

(2) ふかふか「Nemo Fillo (ニーモ フィロー)」

Image Prompt: A hiker resting comfortably on the Nemo Fillo pillow inside a tent. The pillow looks plush with visible foam padding and jersey cover. Cozy evening light.

先生
次は、『Nemo Fillo (ニーモ フィロー)』だ。これは『究極の快適さ』を追求したピローだ。
JK
ニーモ! マットのテンサーのブランドですね。
先生
そうだ。Filloは、エアマット+ウレタンフォームのハイブリッド構造。空気だけでなく、柔らかいフォームが入っているから、家の枕に最も近い寝心地を実現している。

機能とメリット

  • 最高の寝心地: フォーム層があるから、沈み込みすぎず、適度な反発力がある。
  • 安定感: 頭を乗せても、エアピロー特有の「ふわふわして不安定」な感じがない。
  • ジャージカバー: Sea to Summit同様、肌触りが良い。
JK
家の枕みたい! それは魅力的ですね。

【重要】リアリティとデメリット

先生
だが、重量が約200g(レギュラーサイズ)。Sea to Summitの3倍以上だ。
JK
200g…。う〜ん、ちょっと重いかも。
先生
それに、収納サイズもソフトボール大と嵩張る。UL志向の登山者には不向きだ。ただし、『軽さより快適さ』を最優先する人には最高の選択肢だ。オートキャンプや、ベースキャンプ型登山(荷物をデポして頂上アタックするスタイル)には最適だろう。
JK
なるほど。私は軽さも欲しいので、Sea to Summitの方がいいかも。

(3) 超コンパクト「Therm-a-Rest Compressible Pillow (サーマレスト コンプレッシブルピロー)」

Image Prompt: A small, foam-filled Therm-a-Rest Compressible Pillow compressed into a tiny stuff sack, then shown inflated. The pillow has a soft fleece-like cover.

先生
次は、セルフインフレータブルタイプの『Therm-a-Rest Compressible Pillow (コンプレッシブルピロー)』だ。これは空気を入れる必要がなく、袋から出すだけで使える。
JK
空気入れなくていいんですか!? それは楽ですね!
先生
ああ。中に圧縮されたフォームが入っていて、袋から出すと自然に膨らむ。膨らませる手間がゼロだ。

機能とメリット

  • 膨らませる手間なし: 設営時に袋から出すだけ。撤収時は圧縮して袋に戻すだけ。
  • 柔らかい肌触り: 表面がフリース素材で、触り心地が最高。
  • パンクしない: 空気構造ではないので、穴が開く心配ゼロ。

【重要】リアリティとデメリット

先生
だが、重量が約170g(Sサイズ)。軽量化には不向きだ。そして、収納サイズも大きい。ザックの中でスペースを取る。
JK
う〜ん、やっぱり軽さとコンパクトさは犠牲になるんですね。
先生
そうだ。だが、『エアピローは不安』『膨らませるのが面倒』という人には最適だ。信頼性と手軽さを重視するなら、これを選ぶといい。

(4) 究極のミニマリスト「Sea to Summit Pillow Lock (ピローロック)」

Image Prompt: A Sea to Summit Pillow Lock stuff sack being used as a pillow, filled with a puffy down jacket. Minimalist camping setup.

先生
最後に、少し変わり種を紹介しよう。『Sea to Summit Pillow Lock (ピローロック)』だ。これは、専用の袋に着替えやダウンジャケットを詰めて枕にするアイテムだ。
JK
え、枕じゃなくて袋なんですか?
先生
そうだ。重量はわずか30g。ザックの中に持っている衣類を枕に変身させる、究極のミニマリストアイテムだ。

機能とメリット

  • 超軽量: 30gは、ほぼ無重力。
  • 荷物が減る: 衣類を詰めるから、実質的に追加の荷物がゼロ。
  • パンクしない: 布袋だから、壊れる心配なし。

【重要】リアリティとデメリット

JK
でも、これって快適なんですか? 着替えを詰めただけで、ちゃんと枕になりますか?
先生
正直に言おう。寝心地は微妙だ。詰める衣類の量や種類で高さが変わるし、安定感もない。ダウンジャケットを詰めればふかふかになるが、薄手のTシャツだけだとペチャンコだ。
JK
やっぱりそうですよね…。
先生
これは『軽さが全て』というULハイカー向けだ。快適さを求めるなら、素直にエアピローを買った方がいい。

5. まとめ・比較表:結局どれを買えばいいの?

JK
先生、私はSea to Summit Aerosにします! 軽いし、コンパクトだし、肌触りも良さそうだし。
先生
良い選択だ。初めての登山用ピローなら、Aerosが一番バランスが良い。これで、テント泊の睡眠の質が格段に上がるはずだ。
JK
ザック枕からの卒業です! 楽しみ!
先生
使う時のコツを教えておこう。空気を入れすぎないこと。パンパンに膨らませると、硬くて首が痛くなる。少し柔らかめにして、頭が沈み込むくらいがちょうどいい。

登山用ピロー比較表

モデル名 タイプ 重量 収納サイズ 価格帯 おすすめユーザー
Sea to Summit Aeros インフレータブル 約60g 卵サイズ 5,000〜6,000円 軽さ+快適さ重視、初心者〜全般
Nemo Fillo ハイブリッド(エア+フォーム) 約200g ソフトボール大 6,000〜7,000円 快適さ最優先、オートキャンプ
Therm-a-Rest Compressible セルフインフレータブル 約170g やや大きい 4,000〜5,000円 手軽さ重視、エアピロー不安な人
Sea to Summit Pillow Lock スタッフサック 約30g 超小 2,000〜3,000円 ULハイカー、ミニマリスト

先生の最後のアドバイス 「枕は『贅沢品』ではなく『必需品』だ。たった50〜100gの投資で、睡眠の質が劇的に改善され、翌日のパフォーマンスが向上する。ザック枕で我慢するのは、もうやめよう。自分に合った枕を見つけて、山でもぐっすり眠ってくれ。」

JK
はい! 次のテント泊が楽しみになってきました!

6. 補足:登山用ピローの選び方&使い方

(1) サイズの選び方

  • 身長160cm以下: スモールサイズ(30×20cm程度)
  • 身長160〜180cm: レギュラーサイズ(35×25cm程度)
  • 身長180cm以上: ラージサイズ(38×28cm以上)
先生
大きすぎると嵩張るし、小さすぎると頭が落ちる。自分の頭のサイズに合ったものを選ぶんだ。

(2) 膨らませ方のコツ

  • 息を吹き込む前に: バルブを開けて、手で押して空気を入れると、最初の数回が楽になる。
  • 膨らませすぎない: 80%くらいの膨らみで十分。硬すぎると不快だ。
  • 微調整: 寝る直前に、空気を少し抜いて自分好みの硬さに調整する。

(3) メンテナンス

  • 使用後: バルブを開けて、完全に空気を抜いてから収納。湿気を残さない。
  • 汚れたら: 表面のカバーを濡れタオルで拭く。ジャージ素材なら手洗いも可能。
  • パンク修理: エアマットと同じく、リペアキット(パッチとボンド)で応急処置。

(4) 「枕なんて不要」派への反論

JK
先生、中には『枕なんて贅沢品だ』って言う人もいますよね?
先生
ああ、昔の私もそうだった。だが、考えてみろ。自宅で枕なしで寝られるか? 無理だろう。山だって同じだ。睡眠の質は、安全性に直結する。疲れが取れなければ、判断力が鈍り、事故のリスクが高まる。たった60gで安全性が向上するなら、持たない理由はない。
JK
確かに…。家で枕なしで寝たら、絶対翌日つらいですもんね。
先生
そうだ。『軽量化』は大切だが、『削ってはいけないもの』もある。睡眠と安全は、その最たるものだ。

7. 免責事項

※本記事の情報は執筆時点のものです。製品の仕様や価格は変更される場合があります。購入前には必ず公式サイトや店頭で最新情報をご確認ください。登山用具の使用は自己責任で行い、適切な装備と計画で安全な登山を楽しんでください。