マムートの雪崩装備、種類多すぎ!?登山ガイドの先生が教える「失敗しない選び方」
Tags: Safety, Guide

目次
導入
バックカントリーや雪山登山を始めると、必ず耳にするのが「雪崩装備」という言葉。ビーコン、プローブ、ショベル——いわゆる「三種の神器」を揃えなければいけないのは分かっているけれど、調べれば調べるほど種類が多くて何を選べばいいのか分からない…。
特にビーコンは5万円から7万円以上するものまであって、「本当にこんなに高いのが必要?」「安いのじゃダメなの?」と悩んでしまいますよね。
この記事では、スイスの老舗ブランド「マムート(MAMMUT)」の雪崩装備に焦点を当て、2024年にフルモデルチェンジした新型ビーコン「Barryvox S2」「Barryvox 2」をはじめ、ショベル「Alugator」シリーズ、プローブ「Speed Lock」シリーズの特徴と選び方を、登山ガイドの先生と初心者のJKの会話形式で分かりやすく解説していきます。
登場人物紹介


なぜ雪崩装備が必要なのか?




参考情報: 「埋没から15分以内に救出された場合の生存率は約92%と非常に高い数値を示しています」
出典
https://www.sangakui.jp/




三種の神器って何をするもの?


ビーコン(アバランチトランシーバー)



プローブ(ゾンデ)



ショベル(スノーショベル)



マムートの雪崩装備の特徴




参考情報: 「Mammut Barryvoxは長年の実績があり、多くのユーザーがその信頼性を評価しています」
出典
https://note.com/


ビーコン「Barryvox」シリーズ徹底解説
Image Prompt: 雪山でマムートのバリーボックスS2を手に持つスキーヤー。青空と白い雪原を背景に、ビーコンの液晶画面が光っている。
2024年フルモデルチェンジ!新型Barryvoxの進化



参考情報: 「新モデルは従来品と比較して22%薄く、14%軽くなり、着用時のストレスを軽減」
出典
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000084.000032446.html




Barryvox S2(上位モデル)



主なスペック
- 価格: 71,500円(税込)
- サイズ: 115×68×21mm
- 重量: 180g
- 電池: 単4形アルカリ電池2本(リチウム電池も使用可能)
- 送信持続時間: アルカリ電池で最大450時間、リチウム電池で最大550時間
- 捜索範囲: 最大70m
- アンテナ: デジタル3アンテナ


S2だけの特別機能

1. 音声ガイダンス(ボイスガイダンス)

参考情報: 「何をすべきかを具体的に指示する音声ガイダンスが追加されました。これにより、特に初心者でも直感的な捜索が可能になります」
出典
https://steep.jp/news/mammut-barryvox-s2-2/




2. 専用アプリ連携(Bluetooth対応)



3. MIP液晶ディスプレイ(2.3インチ)


4. 多重埋没者捜索(最大16名)



こんな人におすすめ
- 初心者から上級者まで幅広く対応する万能モデルが欲しい人
- 直感的な操作性や音声ガイダンスを求める人
- 複雑な救助状況に対応する必要がある山岳ガイドやプロ
- 将来的なアップデートを期待する人
注意点
- 価格が71,500円と高額
- 機能が多すぎて初心者には使いこなせない可能性も
- 2024年11月にリコールが発表された(電源・送信・捜索スイッチの製造上の問題)
参考情報: 「2024年11月8日には、電源・送信・捜索スイッチの製造上の問題により、Barryvox 2およびBarryvox S2のリコールが発表されており、対象製品は点検・修理のためマムートに返送する必要があります」
出典
https://beaconreviews.com/


Barryvox 2(スタンダードモデル)


Barryvox S2との違い
| 項目 | Barryvox S2 | Barryvox 2 |
|---|---|---|
| 価格 | 71,500円 | 57,200円 |
| ディスプレイ | MIP液晶2.3インチ | 標準液晶 |
| 音声ガイダンス | あり | なし |
| アニメーション表示 | あり | なし |
| リチウム電池対応 | あり | アルカリのみ推奨 |
| 多重埋没者捜索 | 最大16名・高度なマーキング | 基本対応 |
| カスタマイズ機能 | 充実 | 基本 |
参考情報: 「Barryvox 2の価格は57,200円(税込)です」
出典
https://prtimes.jp/



こんな人におすすめ
- 基本的な雪崩対策知識があるユーザー
- 主にガイド付きツアーに参加する人
- コストパフォーマンスを重視する人
- シンプルな操作性を求める人
注意点
- 音声ガイダンスがないため、操作に慣れが必要
- MIP液晶ではないため、視認性がやや劣る
- リチウム電池は非推奨
他社ビーコンとの比較


| ブランド | モデル | 捜索範囲 | 特徴 | 価格帯 |
|---|---|---|---|---|
| Mammut | Barryvox S2 | 70m | 音声ガイダンス、MIP液晶、アプリ連携 | 71,500円 |
| Mammut | Barryvox 2 | 70m | シンプル操作、コスパ良好 | 57,200円 |
| Ortovox | Diract Voice | 50m | 音声ガイド、充電式 | 約60,000円 |
| Pieps | Pro BT | 60m | Xアンテナ、Bluetooth対応 | 約55,000円 |
| BCA | Tracker S | 55m | シンプル操作、手頃な価格 | 約35,000円 |
| BCA | Tracker 4 | 55m | 直感的操作、高速プロセッサ | 約45,000円 |
参考情報: 「特にBarryvox S2は、プロフェッショナルや上級者向けに高い評価を得ており、70mの広範囲な捜索能力と優れたディスプレイが特徴」
出典
https://switchbacktravel.com/






プローブ「Probe Speed Lock」シリーズ
Image Prompt: 雪面にプローブを突き刺している登山者の手元アップ。マムートのProbe Speed Lockのオレンジ色の目盛りが見えている。


Speed Lockシステムとは

参考情報: 「緊急時に素早く組み立てできるよう設計されており、カチッという音でロックを確認できます」
出典
https://mammut.com/


シリーズ共通の特徴
- アルミニウム製: 耐久性と軽さを両立
- ドロップ形状の先端: 硬い雪塊にも効率的に貫通
- 360度深度表示: 埋没者の深さを正確に測定
- 底部オレンジ色: 埋没者に近づくと視覚的に分かる
- UIAA 157規格認定: 国際基準をクリア
Probe Speed Lock 240(軽量モデル)
主なスペック
- 展開長: 240cm
- 収納長: 45cm
- 重量: 約245〜280g
- セクション数: 6本
- 価格: 約6,600円


こんな人におすすめ
- 軽量化を最優先するスキーヤー
- 日帰りバックカントリー中心の人
- 小さなバックパックを使用する人
Probe Speed Lock 280(オールラウンドモデル)
主なスペック
- 展開長: 280cm
- 収納長: 45cm
- 重量: 約279g
- セクション数: 7本
- 価格: 約7,700円
参考情報: 「最低でも2m以上の長さが推奨され、雪深いエリアや新雪が多い時期を考慮すると、270cm〜280cm程度の長さがより効果的」
出典
https://steep.jp/



こんな人におすすめ
- オールラウンドに使いたい人
- 一般的なバックカントリーを楽しむ人
- 迷ったらこれを選べという定番モデル
Probe Speed Lock 320(本格派モデル)
主なスペック
- 展開長: 320cm
- 収納長: 45cm
- 重量: 約340〜365g
- セクション数: 8本
- 価格: 約8,800円



こんな人におすすめ
- 新雪が多いエリアを好む人
- 深い埋没が想定されるルートを行く人
- 山岳ガイドやプロフェッショナル
ショベル「Alugator」シリーズ
Image Prompt: 雪山でAlugator Pro Light Hoeのホーモードを使って雪を掘り出している登山者。ショベルのDグリップとオレンジ色のブレードが目立つ。


なぜ専用ショベルが必要か
- 軽量性: バックパックに入れて持ち歩くから軽くないと困る
- コンパクト性: 分解・折りたたみができて収納しやすい
- 強度: 雪崩で固まった雪は非常に硬い。曲がらない素材が必要
- 効率性: 素早く大量の雪を動かせる設計
- UIAA規格: 国際基準をクリアした信頼性


Alugator Pro Light Hoe(最上位モデル)

参考情報: 「シャフトを付け替えることで90°のホーモードに簡単に変換でき、より効率的かつ迅速な雪の除去が可能」
出典
https://rei.com/




主なスペック
- 重量: 約675g
- 収納長: 68cm
- 展開長: 90〜91cm
- ブレード長: 27.5cm
- ブレード幅: 24cm
- 素材: 硬化・陽極酸化アルミニウム
- 認定: UIAA 156規格
- 価格: 約16,500円
主な特徴
1. ホーモード(鍬機能) シャフトを90度に付け替えて、てこの原理で効率的に雪を引き出せる。
2. 人間工学に基づいたDグリップ 安定したホールド感と効率的なパワー伝達。グローブ着用時も操作しやすい。
3. 耐久性のあるブレード 硬化・陽極酸化処理アルミニウムで曲がりにくく、雪塊を効率的にカット。
4. 多用途設計 アタッチメントホール付きで、スノーアンカーやレスキューソリの構築にも対応。
こんな人におすすめ
- 効率的な掘り出しを求める人
- 本格的なバックカントリーを楽しむ人
- 山岳ガイドやプロフェッショナル
注意点
- 価格が約16,500円とショベルとしては高め
- 重量675gはやや重い
Alugator Light(軽量モデル)

参考情報: 「475gと非常に軽量で、小さなコーラ飲料よりも軽い」
出典
https://rei.com/

主なスペック
- 重量: 475g
- 収納長: 37cm
- 展開長: 約75cm
- ブレード幅: 約21cm
- ブレード長: 約24cm
- 素材: 硬化・陽極酸化アルミニウム
- 認定: UIAA 156規格
- 価格: 13,200円(税込)、実売9,800〜11,800円程度
Pro Light Hoeとの比較
| 項目 | Pro Light Hoe | Light |
|---|---|---|
| 重量 | 675g | 475g |
| ホーモード | あり | なし |
| グリップ | Dグリップ | Tグリップ |
| 展開長 | 90cm | 75cm |
| ブレードサイズ | 27.5×24cm | 24×21cm |
| 価格 | 約16,500円 | 約13,200円 |


こんな人におすすめ
- 軽量化を最優先するスキーヤー
- 小さなバックパックを使用する人
- 日帰りバックカントリー中心の人
- 予算を抑えたい人
注意点
- ホーモードがないため、長時間の掘り出しでは効率が落ちる
- ブレードがやや小さい
エアバッグシステム




Removable Airbag System 3.0
マムートの取り外し可能なエアバッグシステム。対応バックパックに装着可能。
参考情報: 「数秒で頭部後方に150リットルの明るい色のエアバッグを展開し、埋没リスクを低減」
出典
https://mammut.com/
主な特徴
- 150リットルエアバッグ: 頭部後方に明るい色のエアバッグを数秒で展開
- 取り外し・付け替え可能: 対応バックパック間で移動可能
- 軽量設計: エアバッグシステム+カーボンカートリッジで約1kg




ビーコントレーニングの重要性


参考情報: 「日本雪崩捜索救助協議会(AvSAR)は『入門者のための雪崩ビーコン練習ドリル』を公開しており、初心者でも仲間と一緒に練習できる方法が整理されています」
出典
https://avsarjapan.org/


練習ステップ
ステップ1: 基本操作の確認
- 取扱説明書を読む
- 電源のオン/オフ、送受信の切り替えを練習
- ディスプレイの表示を理解する
ステップ2: 受信距離の体験
- 広場でビーコンがどのくらいの距離から電波を捉えるか確認
- 「ファジーゾーン」(電波が安定しない範囲)を把握
ステップ3: コースサーチ・ファインサーチの練習
- 繰り返し行うことで基礎スキル向上
- プローブによる位置特定もスムーズに
ステップ4: 雪上での実地練習
- ビーコンを十分な深さに埋める
- コースサーチ〜プロービングまでの一連の動作を練習


おすすめの組み合わせ


初心者・ライトユーザー向け
| アイテム | おすすめモデル | 価格 |
|---|---|---|
| ビーコン | Barryvox 2 | 57,200円 |
| プローブ | Probe Speed Lock 240 | 約6,600円 |
| ショベル | Alugator Light | 約13,200円 |
| 合計 | 約77,000円 |


中級者・オールラウンド向け
| アイテム | おすすめモデル | 価格 |
|---|---|---|
| ビーコン | Barryvox S2 | 71,500円 |
| プローブ | Probe Speed Lock 280 | 約7,700円 |
| ショベル | Alugator Light | 約13,200円 |
| 合計 | 約92,400円 |
上級者・プロフェッショナル向け
| アイテム | おすすめモデル | 価格 |
|---|---|---|
| ビーコン | Barryvox S2 | 71,500円 |
| プローブ | Probe Speed Lock 320 | 約8,800円 |
| ショベル | Alugator Pro Light Hoe | 約16,500円 |
| 合計 | 約96,800円 |
まとめ・比較表


マムート雪崩装備 比較表
| カテゴリ | モデル | 特徴 | おすすめユーザー | 価格 |
|---|---|---|---|---|
| ビーコン | Barryvox S2 | 音声ガイダンス、MIP液晶、最大16名対応 | 初心者〜プロ | 71,500円 |
| ビーコン | Barryvox 2 | シンプル操作、コスパ良好 | 一般ユーザー | 57,200円 |
| プローブ | Speed Lock 240 | 軽量、6セクション | 軽量化重視 | 約6,600円 |
| プローブ | Speed Lock 280 | オールラウンド、定番 | 迷ったらコレ | 約7,700円 |
| プローブ | Speed Lock 320 | 最長、深い埋没に対応 | 本格派 | 約8,800円 |
| ショベル | Alugator Pro Light Hoe | ホーモード搭載、効率的 | 効率重視 | 約16,500円 |
| ショベル | Alugator Light | 超軽量475g | 軽量化重視 | 約13,200円 |






購入時のチェックリスト
最後に、雪崩装備を購入する際のチェックリストをまとめておこう。
- [ ] 自分の使用シーン(日帰り/宿泊、頻度)を明確にする
- [ ] 予算の設定(三種の神器で7〜10万円程度)
- [ ] セット購入と単品購入の比較検討
- [ ] リコール情報の確認(Barryvox S2/2は2024年11月にリコールあり)
- [ ] 練習環境の確保(講習会への参加も検討)
- [ ] 仲間とビーコンの互換性確認(457kHzなら問題なし)
- [ ] 取扱説明書を読み、基本操作を習得
安全な雪山ライフを楽しもう!