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「テント泊の翌朝、体がバキバキで動けない…」 「隣の人のマットの音がうるさくて、一睡もできなかった…」

そんな「山の睡眠不足」に悩んでいませんか?もしそうなら、あなたのマット選びは間違っているかもしれません。

登山用マットの世界に革命を起こしたブランド、それがニーモ (NEMO)です。特に「テンサー (Tensor)」シリーズは、これまでのエアーマットの常識を覆す「圧倒的な静音性」と「自宅のベッドのような寝心地」で、多くの登山者を虜にしています。

「たかがマットでしょ?」と侮るなかれ。マットが変われば、登山の質が劇的に変わります。

この記事では、数々のマットを乗り換えてきた登山ガイドの先生と、睡眠不足に悩むJKが、ニーモのマットについて徹底討論。なぜニーモが選ばれるのか、その理由を深掘りします。

Image Prompt: A photorealistic image of a hiker sleeping peacefully on a Nemo Tensor sleeping pad inside a tent. The pad is thick and looks comfortable, with a unique baffle structure. The tent door is open, revealing a starry night sky over a mountain range. The scene should convey ultimate comfort and tranquility.


登場人物紹介

JK (女子高生)
登山初心者。どこでも寝られるタイプだと思っていたが、前回のテント泊で背中が痛くなり、睡眠の重要性に気づいた。「静かでふかふか」なマットを探している。

先生 (登山ガイド)
登山歴20年のベテラン。道具の進化には常にアンテナを張っている。ニーモの革新的な技術を高く評価しており、特に「静音性」にはこだわりがある。



なぜ「ニーモ」のマットが選ばれるのか?

JK
先生、前回サーマレストのZライトソルを教えてもらいましたけど、やっぱり「ふかふか」で寝たいんです!
先生
ふむ。Zライトソルの手軽さは捨てがたいが、寝心地を追求するならエアーマット一択だな。そして、その最高峰の一つがニーモ (NEMO)だ。
JK
ニーモって、テントも作ってますよね?
先生
ああ。「タニ」などの軽量テントで有名だが、実はマットの評価も非常に高い。特に「テンサー (Tensor)」シリーズは、エアーマットの弱点を克服した傑作だ。

先生の失敗談:うるさいマットは地獄だ

JK
弱点って何ですか?
先生
その前に、私の失敗談を聞いてくれ。昔、ある軽量エアーマットを使っていた時のことだ。
JK
先生にも失敗があるんですね。
先生
ああ。そのマットは確かに軽かった。だが、寝返りを打つたびに「バリバリ!」「ギュッギュッ!」と凄まじい音がしたんだ。
JK
うわぁ、気まずい…。
先生
混雑したテント場で、隣のテントの人から「すいません、もう少し静かにしてもらえませんか?」と注意されたことがある。それ以来、音を立てないように直立不動で寝る羽目になり、全く疲れが取れなかった。
JK
それは地獄ですね…。
先生
さらに、そのマットはフワフワしすぎて、腰が沈んで痛くなった。翌朝、腰痛でザックを背負うのが辛かったよ。
JK
マット選びって重要なんですね。
先生
そうだ。だからこそ、ニーモに出会った時は衝撃を受けた。「カサカサ音」「安定感のなさ」という2大欠点を、完璧に克服していたからだ。

1. 驚きの「静音性」:秘密は"吊り下げ"構造

先生
従来のエアーマット、特に軽量なものは、断熱フィルムが内側に貼り付けられていて、寝返りを打つたびに「バリバリ」「カサカサ」とポテトチップスの袋のような音がすることが多かった。
JK
あー、あれ嫌ですよね。隣のテントの人に申し訳なくて…。
先生
だが、テンサーは違う。内部の断熱フィルムを「吊り下げる」独自の構造(サーマルミラーフィルム)を採用しているんだ。
JK
吊り下げる?
先生
そう。フィルムが生地に接着されていないから、動いても擦れる音がしない。これが驚異的な静音性の秘密だ。
JK
なるほど!構造からして違うんですね。
先生
私が以前、他社の軽量マットを使っていた時は、自分の寝返りの音で目が覚めることがあった。だがテンサーに変えてからは、朝まで一度も起きずに熟睡できるようになった。これは革命的だぞ。

2. ふわふわしない「安定感」:スペースフレームバッフル

先生
エアーマット特有の「ボヨンボヨン」した感じ、わかるか?
JK
わかります!プールで浮き輪に乗ってるみたいな、酔いそうな感じ。
先生
あれは、空気が偏ってしまうことで起きる。だがテンサーは「スペースフレームバッフル」という、低伸縮性のトラス(柱)構造を採用している。
JK
トラス構造…?橋とかに使われてるやつですか?
先生
その通り。内部に無数の柱があるようなものだと思ってくれ。これにより、体重をかけても空気が逃げず、フラットで安定した寝心地を実現している。
JK
浮き輪っぽくないってことですね。
先生
そうだ。肘や膝をついても底付きしにくいし、端っこに寝ても転がり落ちにくい。まるで家のベッドに近い感覚で眠れる。これが多くの登山者を虜にしている理由だ。

Image Prompt: A close-up diagrammatic image showing the internal structure of the Nemo Tensor pad (Spaceframe Baffles). It should visually explain how the baffles prevent the "waterbed effect" and provide stability. The image should be clean and technical but easy to understand.


テンサーシリーズのラインナップ

先生
さて、テンサーにはいくつか種類がある。用途に合わせて選ぶ必要があるぞ。
JK
どれが一番いいんですか?
先生
最新モデル(2024年時点)を中心に紹介しよう。主に「オールシーズン」「エクストリーム」「トレイル」の3つだ。

1. 万能選手「テンサー オールシーズン (All Season)」

  • R値: 5.4
  • 重量: 約400g (レギュラーマミー)
  • 特徴: その名の通り、1年中使えるバランス型。
先生
迷ったらこれだ。R値5.4あれば、厳冬期の雪山でも対応できる。それでいて400gという軽さは驚異的だ。
JK
冬も使えるのに軽いんですね!
先生
以前のモデル(インシュレーテッド)から進化して、さらに暖かく、強くなった。これ一本あれば、日本の山ならどこでも行ける。

2. 極寒仕様「テンサー エクストリーム コンディション (Extreme Conditions)」

  • R値: 8.5
  • 重量: 約470g (レギュラーマミー)
  • 特徴: 圧倒的な断熱力。マット界最強クラスの暖かさ。
先生
R値8.5だ。これはもう、雪の上で寝ても背中が熱いレベルだ。
JK
熱い!?そこまでいくんですか。
先生
寒がりの人や、厳冬期の高山に挑む人向けだ。重量もオールシーズンと70gしか変わらないから、寒さへの保険としてこちらを選ぶのもアリだ。

3. 軽量・高耐久「テンサー トレイル (Trail)」

  • R値: 2.8
  • 重量: 約365g (レギュラーマミー)
  • 特徴: 3シーズン用。軽さと耐久性のバランスが良い。
先生
冬山に行かないならこれだ。オールシーズンより軽く、収納サイズも小さい。夏の北アルプスならこれで十分だ。
JK
私は冬山行かないから、トレイルでいいかなぁ。
先生
ふむ。ただし、R値2.8だと、秋の紅葉シーズンや春先は少し寒いかもしれない。寒がりなら、夏でもオールシーズンを選んだ方が幸せになれるぞ。
JK
うっ、確かに寒がりです…。じゃあオールシーズンかな。

最強のコンビ!「スイッチバック」との重ね技

先生
ここで一つ、上級者向けのテクニックを教えよう。ニーモには「スイッチバック (Switchback)」というクローズドセルマット(Zライトソルのような折りたたみ式)もある。
JK
あ、オレンジ色のやつ見たことあります!
先生
実は、「テンサー」と「スイッチバック」を重ねて使うのが、冬山や寒がりな人にとっての最強のソリューションなんだ。
JK
2枚重ねですか!贅沢!
先生
下にスイッチバックを敷くことで、地面からの冷気を物理的に遮断し、さらにパンクのリスクも軽減できる。その上にテンサーを敷けば、極上の寝心地と暖かさが手に入る。
JK
確かに、それならもしテンサーがパンクしても、スイッチバックがあるから最悪の事態は防げますね。
先生
その通り。この組み合わせなら、R値も足し算されるから、厳冬期の高山でも余裕で対応できる。私は冬山では必ずこの「二刀流」で行くことにしている。
JK
重くなりませんか?
先生
もちろん重くなる。だが、冬山での睡眠不足は命に関わる。数百グラムの重量増で「確実な安眠」が買えるなら安いものだ。

ニーモ vs サーマレスト:どっちを選ぶ?

JK
先生、サーマレストの「ネオエアー Xライト」と迷うんですけど、どっちがいいんですか?
先生
永遠のテーマだな。両者には明確な違いがある。比較してみよう。

1. 寝心地と静音性

  • ニーモ (テンサー): 圧倒的に静かで安定している。ボヨンボヨン感が少ない。
  • サーマレスト (Xライト): 少しカサカサ音がする(改善はされているが)。寝心地は良いが、ニーモほどの安定感はない。
先生
音に敏感な人、寝心地最優先の人はニーモだ。

2. 軽さと暖かさの比率

  • ニーモ (テンサー オールシーズン): 400g / R値5.4
  • サーマレスト (Xライト NXT): 350g / R値4.5
先生
スペックだけで見れば、ニーモの方が暖かくて(R値が高い)、サーマレストの方が軽い
JK
50gの差かぁ…。
先生
この50gをどう捉えるかだ。「とにかく軽くしたい」ならサーマレスト。「50g重くても、暖かくて静かな方がいい」ならニーモだ。

3. ポンプサックの使い勝手

先生
どちらも空気を入れるための「ポンプサック」が付属しているが、個人的にはニーモの方が使いやすいと感じる。
JK
どう違うんですか?
先生
ニーモの「ボルテックスポンプサック」は、口が広くて空気を捕まえやすい。少ない回数で膨らませることができるんだ。
JK
疲れてるときに楽なのは嬉しいですね!

Image Prompt: A photorealistic image comparing the pump sacks of Nemo (Vortex Pump Sack) and Therm-a-Rest. The image should show a user inflating the Nemo pad with ease, highlighting the wide opening of the sack.


失敗しない!ニーモマットの選び方

JK
先生、モデルは決まったとして、サイズはどうすればいいですか?
先生
ニーモには主に「レギュラーマミー」「レギュラーワイド」「ショート」がある。

1. 形:マミー型 vs レクタングラー型

先生
基本はマミー型(足元が細くなっている形)だ。軽量でパッキングもしやすい。
JK
四角い形(レクタングラー)もあるんですか?
先生
あるが、重くなる。よほど寝相が悪くて足が落ちる人以外は、マミー型で十分だ。

2. 幅:ワイドモデルのすすめ

先生
もし君が「寝返りをよく打つ」なら、ワイドモデルを強く勧める。
JK
幅が広いってことですよね?
先生
通常の幅(51cm)だと、腕がマットから落ちてしまうことがある。ワイド(64cm)なら、腕までしっかりマットの上に乗せられるから、快適さが段違いだ。
JK
腕が落ちると寒いんですよね…。
先生
その通り。ただし、幅が広い分、テント内で場所を取る。2人でテントを使う場合は、相手のマットと干渉しないか確認が必要だ。

3. 長さ:ショートモデルの活用

先生
身長が低い人や、少しでも軽くしたい人はショートモデル(122cm〜160cm程度)を選ぶのも手だ。
JK
足が出ちゃいませんか?
先生
足元にはザックを敷くんだ。そうすれば全身をカバーできる。
JK
うーん、私は全身ふかふかがいいので、レギュラーにします!


もしもパンクしたら?現場でのリペア術

JK
先生、さっきリペアキットの話が出ましたけど、本当に現場で直せるんですか?穴なんて見つけられる気がしません…。
先生
確かに、目に見えない微細な穴を見つけるのは難しい。だが、コツがある。

1. 穴の見つけ方

先生
一番確実なのは「水に沈める」ことだ。沢や水場があれば、膨らませたマットを沈めてみる。気泡が出てくる場所が穴だ。
JK
あー、自転車のパンク修理と同じですね!でも、水がない場所だったら?
先生
その場合は、「石鹸水」を使う。手持ちの石鹸や洗剤を少し水で溶いて、マットの表面に塗っていく。穴があればシャボン玉ができる。
JK
なるほど!それならテントの中でもできそう。
先生
もしそれも無理なら、「頬や唇」を近づけて、空気の漏れる音や風を感じ取るしかない。静かな場所で集中力が必要だ。

2. パッチの貼り方

先生
穴が見つかったら、汚れを拭き取り、付属のパッチを貼る。この時、角を丸くカットするのがポイントだ。
JK
なんで丸くするんですか?
先生
角があると、そこから剥がれやすくなるからだ。丸くすることで剥がれにくくなる。そして、貼った後は指で強く圧着し、できれば重しを乗せてしばらく放置する。
JK
勉強になります…。でも、やっぱりパンクさせないのが一番ですね。
先生
その通り。テント内で火器を使わない(熱で溶ける)、マットの上でアイゼンや尖ったものを扱わない、といった基本動作を徹底することが最大の防御だ。

Q&A:よくある質問

JK
先生、最後にいくつか質問いいですか?
先生
もちろんだ。
JK
エアーマットって、寿命はどれくらいなんですか?
先生
使用頻度にもよるが、3〜5年が目安だ。生地のコーティングが劣化したり、バルブが緩んだりしてくる。もちろん、丁寧に扱えばもっと長く使える。
JK
長持ちさせるコツは?
先生
「湿気」が大敵だ。呼気で膨らませると中に水分が溜まり、カビの原因になる。必ず付属のポンプサックを使うこと。そして帰宅後は、バルブを開けて乾燥した部屋で保管することだ。
JK
結露で濡れたらどうすればいいですか?
先生
タオルで拭き取ればOKだ。ニーモの生地は速乾性がある。ただし、濡れたまま収納袋に入れるのはNGだ。
JK
枕はどうしてますか?
先生
ニーモには「フィッロ」という素晴らしい枕がある。マットと同じく肌触りが最高だ。スタッフバッグに服を詰めるのもいいが、睡眠の質を上げるなら専用枕への投資をおすすめする。

まとめ:ニーモで「山での睡眠」が変わる

JK
先生、私、次はニーモのテンサー オールシーズンにします!静かで暖かいのが一番です。
先生
良い選択だ。山で熟睡できれば、翌日の景色もより美しく見えるはずだ。
JK
はい!これでテント泊がもっと楽しみになりました!

ニーモ「テンサー」おすすめモデル比較

モデル名 R値 重量 おすすめユーザー
Tensor Trail 2.8 365g 夏山メイン、軽さ重視の人
Tensor All Season 5.4 400g 迷ったらこれ! オールラウンダー
Tensor Extreme 8.5 470g 厳冬期、極度の寒がりの人
先生
ニーモのマットは、まさに「眠りのための道具」だ。その快適さを一度知ったら、もう他のマットには戻れないかもしれないぞ。
JK
戻れなくていいです!ふかふか最高!

免責事項

本記事の内容は、筆者の個人的な経験と見解に基づいています。登山用品の選択は個人の体質、登山スタイル、目的によって異なります。購入前には必ず専門店で実物を確認し、スタッフに相談することをお勧めします。また、R値や重量などのスペックはメーカーの仕様変更により変わる場合があります。最新の情報はメーカー公式サイトをご確認ください。登山は自己責任で行うアクティビティです。安全には十分配慮し、無理のない計画を立てましょう。