Tags: Accessories, Guide
導入
先生、山に行く時の帽子って、ツバが広い「ハット」と、野球帽みたいな「キャップ」、どっちがいいんですか?
ハットの方が日焼けしなそうですけど、キャップの方がカッコいい気がして…。どっちも買うのは嫌です!
永遠の論争だな。結論から言うと、「樹林帯はハット、稜線はキャップ」が基本だ。
ハットは「全方位の日除け」に優れるが、「風に弱い」。
キャップは「風に強く視界が良い」が、「耳や首が焼ける」。
今日は、それぞれのメリット・デメリットを風速15mの稜線と、灼熱の林道でテストして比較するぞ。
Image Prompt: 左半分にハットを被って樹林帯を歩く登山者、右半分にキャップを被って強風の稜線に立つ登山者の比較イラスト。日差しの当たり方と、風の影響を矢印で図解。
第1章: ハット(全周ツバ)の実力
まずはハットから詳しく見ていこう。ハットにも種類があって、サファリハット、バケットハット、サンハットなど、形状によって特徴が異なる。
1. サファリハットとバケットハットの違い
え、ハットにも種類があるんですか?全部同じに見えますけど…。
細かく見ると違うんだ。サファリハットは、広いツバが全周にわたって均等に広がっており、顔や首、耳を広範囲に保護する。頭頂部は丸みを帯びたものや、トップが平らな円筒形のものがある。
一方、バケットハットはバケツをひっくり返したような円筒形で、サファリハットよりもツバが短めだ。ファッション性も高く、街でも使いやすい。
日差しの強い夏山や、影のない稜線歩きではサファリハットが圧倒的に有利だ。ツバが広い分、保護範囲が広い。バケットハットは低山ハイクやカジュアルなアウトドアに向いている。
2. 鉄壁の日焼け防止
ハットの最大のメリットは、360度ツバがあるので、顔だけでなく、「耳」と「首筋」も日差しから守れることだ。
特に首筋の日焼けは体力を奪うので、これを防げるのはデカイ。実際、10月の涸沢でハットを被っていた人は首筋が無傷だったが、キャップだけの人は真っ赤に焼けていたという話もある。
首の後ろって、油断すると真っ赤になりますもんね。でも、耳が焼けるって想像つかないです。
耳は意外と盲点なんだ。軟骨部分は皮膚が薄く、日焼けすると痛みが強い。しかも、耳には日焼け止めを塗り忘れやすい。ハットなら耳全体を影で覆えるから、日焼け止めを塗り忘れても安心だ。
3. UPF50+の高いUV保護
多くの登山用ハットはUPF50+という優れたUVケア機能を備えている。これは紫外線を98%以上カットする非常に高い保護レベルだ。
UPF?それって何ですか?SPFとは違うんですか?
いい質問だ。SPFは日焼け止めクリームの指標で、主にUVB(紫外線B波)をどれだけ防ぐかを示す。一方、UPFは衣類や帽子の紫外線保護指数で、UVAとUVBの両方をどれだけブロックするかを示す。
UPF50+なら、紫外線の98%以上をカットするから、標高が高くなって紫外線が強くなる山では必須の機能だ。
へぇ、帽子にもそんな機能があるんですね。じゃあ、どんな帽子でもUPF50+なんですか?
いや、そうではない。素材や織り方によってUPF値は変わる。ナイロンやポリエステルなどの化学繊維で、密に織られた生地ほどUPF値が高い。逆に、綿のような天然繊維で、粗く織られた生地はUPF値が低い傾向にある。
4. 雨の侵入を防ぐ
雨が降った時、広いツバが傘代わりになり、襟元から雨が入るのを防いでくれる。
メガネをかけている人も、ツバが広いとレンズが濡れにくい。実際、雨の日にGORE-TEXハットを使ったら、フードを被らずに済んで視界が良好だったという体験談もある。
あ、それいいですね!フード被ると周りの音が聞こえにくくなるし、視界も狭くなるから嫌なんですよ。
そうだな。特にGORE-TEXのような防水透湿素材のハットなら、雨を防ぎながらも帽子の内部の湿気を外部に放出するから、長時間着用しても蒸れにくい。傘がさせない登山中には非常に有効だ。
5. 弱点:風で飛ぶ
ただし、ハットには大きな弱点がある。ツバが広い=風を受ける面積が広い。
稜線で強風が吹くと、凧のように煽られて飛んでいきそうになる。北岳の稜線で強風に煽られ、あご紐をしていたのにバタバタして鬱陶しかったという話もある。
飛びはしないが、風でバタバタと暴れるんだ。あご紐(チンストラップ)は必須だが、それでも風速15m以上の強風下では不快に感じることがある。
また、ザックの雨蓋(上のポケット)にツバの後ろが当たって、首が前に押される感じがして不快だったという声もある。
うわぁ、それは嫌ですね。じゃあ、風が強い日はハットは使えないってことですか?
完全に使えないわけではないが、快適性は落ちる。だから、森林限界を超えて風が強くなったら、キャップに被り変えるか、ハットを折りたたんでザックにしまい、ヘルメットを被るのが賢い選択だ。
6. レインウェアのフードと干渉
もう一つの弱点は、レインウェアのフードを被る際に、ツバが邪魔になることがある。フードの中にハットを入れると窮屈だし、フードの外にハットを出すと雨が顔に当たる。
GORE-TEXハットを使えば、フードを被らずに済むから問題ない。ただし、GORE-TEXハットは晴れの日は蒸れるので、天候に合わせて使い分ける必要がある。
第2章: キャップ(野球帽タイプ)の実力
次はキャップだ。パタゴニアの「ダックビルキャップ」やザ・ノース・フェイスの「ホライズンキャップ」のようなタイプだ。
1. 耐風性と視界
キャップの最大のメリットは、ツバが前だけなので、風を受け流しやすいことだ。
強風下でも頭にフィットして飛ばされにくい。実際、強風の稜線でもキャップは全く飛ばされず、ハットより安定していたという体験談がある。
そうだ。また、上を見上げる(岩場を登る)時に、ツバが邪魔にならず視界が広い。
ヘルメットの下に被る(インナーキャップ)こともできるから、岩場やクライミングではキャップが圧倒的に有利だ。
ヘルメットの下に被れるんですか!?それって暑くないんですか?
薄手のメッシュキャップなら、汗が目に入るのを防ぎつつ、通気性も確保できる。実際、岩場でヘルメットの下にキャップを被ったら、汗が目に入らず快適だったという声もある。
2. レインウェアのフードと併用しやすい
キャップはレインウェアのフードと併用しやすい。ツバが前だけなので、フードの中に入れても窮屈にならない。藪漕ぎなどでも邪魔になりにくいメリットがある。
あ、それはいいですね。ハットだとフードと干渉するって言ってましたもんね。
そうだ。雨の日はキャップ+フードの組み合わせが快適だ。ただし、キャップのツバが濡れると重くなって垂れ下がることがあるので、撥水加工されたものを選ぶといい。
3. 弱点:耳と首が焼ける
キャップの最大の弱点は、横と後ろが無防備なことだ。
日焼け止めを塗るか、フード付きのウェアを着ないと、耳と首が真っ赤に焼ける。実際、夏の低山で耳が真っ赤に焼けてしまったとか、首の後ろが焼けて下山後にヒリヒリして眠れなかったという失敗談もある。
耳なし芳一みたいになるのは嫌だなぁ…。でも、日焼け止め塗ればいいんですよね?
そうだが、日焼け止めは汗で流れやすいし、塗り直しを忘れることも多い。だから、サンシェード(日除け布)を取り付けられるモデルを選ぶのも手だ。
4. サンシェード(日除け布)の活用
キャップの後ろに取り付ける日除け布のことだ。マジックテープやスナップボタンで簡単に着脱できるタイプが多い。
これを付ければ、キャップでも首筋や耳を日差しから守れる。モンベルなどのブランドからも、ハットに装着して効果的に日差しを遮る日除け布が提供されている。
へぇ、そんな便利なものがあるんですね!じゃあ、キャップにサンシェードを付ければ、ハットと同じくらい日焼け防止できるってことですか?
理論上はそうだが、サンシェードは風でバタバタすることがあるし、見た目が少しダサいと感じる人もいる。ファッション性を重視するなら、ハットの方がスマートだ。
第3章: 素材の機能性(GORE-TEX vs メッシュ)
形だけでなく、素材も重要だ。同じハットやキャップでも、素材によって快適性が大きく変わる。
1. メッシュ(通気性)
夏山なら、頭の一部がメッシュになっているものが涼しい。
頭は一番熱を持つ場所なので、ここから熱を逃がさないと熱中症になる。メッシュ部分が大きいキャップや、サイドや後頭部にメッシュが配置されたデザインは、頭部の蒸れを防ぎ、汗をかいても速く乾かす効果がある。
細かい目のメッシュやレーザーホール技術を用いたメッシュなら、虫の侵入を防ぎつつ通気性を保てる。ザ・ノース・フェイスの「ホライズンハット」は、頭部全体のベンチレーションメッシュパネルによる高い通気性が特徴で、UVケア(UPF15~30)機能も備えている。
そうだ。メッシュ素材にUVカット加工を施したものもある。ただし、メッシュ部分が多すぎると、日差しが直接頭皮に当たるので、バランスが重要だ。
2. GORE-TEX(防水性)
雨の日用としてGORE-TEXの帽子もある。
フードを被ると視界が悪くなるのが嫌な人は、防水ハットを使うと快適だ。GORE-TEXは防水性、防風性、透湿性に優れているから、雨を防ぎながらも帽子の内部の湿気を外部に放出する。
そうだな。モンベルの「GORE-TEXストームハット」は1万円前後するが、全天候型で長く使えるから、コストパフォーマンスは悪くない。大きなツバは襟元への雨だれや首筋の日焼けを軽減し、別売りのストラップや日よけ布の取り付けも可能だ。
晴れの日は蒸れるって言ってましたけど、どれくらい蒸れるんですか?
真夏の炎天下だと、頭部に熱がこもって不快に感じることがある。だから、晴れの日はメッシュハット、雨の日はGORE-TEXハットと使い分けるのが理想だ。
3. 吸汗速乾素材
ポリエステルやナイロンなどの化学繊維は、軽量で速乾性に優れている。
汗を素早く吸収・乾燥させ、汗冷えを防ぐ。パタゴニアの「クアンダリー・ブリマー」は、軽量で通気性に優れ、速乾性があり、日差しを遮る広いつばを持つハットで、あご紐付きで風が強い日でも安心して使用できる。
綿は肌触りが良く、吸水性に優れているが、乾きにくいのが欠点だ。汗をかいた後、濡れたままの帽子を被り続けると、汗冷えして体温が奪われる。だから、登山では化学繊維の方が適している。
第4章: 色の選び方と紫外線カット
1. 黒・濃紺(濃い色)
濃い色は紫外線を吸収するため、一般的に紫外線カット効果が高い。ある検証では、黒い帽子の紫外線遮蔽率は100%に対し、白は99.8%という結果が出ている。
紫外線カットだけで見ればそうだが、デメリットもある。濃い色は太陽光を吸収しやすいため、帽子内部に熱がこもりやすく、暑さを感じやすい。特に日差しの強い日は頭部が熱くなりすぎる可能性がある。
真っ黒ではない濃いめの色、例えば濃紺やダークグリーンなら、紫外線防止効果がありつつも、真っ黒ほど熱を吸収しすぎない。
2. 白(淡い色)
白は熱を反射するため、頭部に熱がこもりにくく、暑さや熱中症対策には有利だ。
そうだが、UVカット加工が施されていれば、白色でも十分に紫外線を遮蔽できる。特に、紫外線反射剤が織り込まれた加工のものは、洗濯してもUVカット効果が持続しやすい。
じゃあ、UVカット加工された白い帽子が最強ってことですか?
理論上はそうだ。紫外線カットと暑さ対策の両方を重視するなら、UVカット機能付きの白や淡い色の帽子がおすすめだ。ただし、白は汚れが目立ちやすいので、メンテナンスが必要になる。
第5章: サイズ調整とフィット感
帽子のサイズ選びも重要だ。きつすぎると頭痛の原因になり、緩すぎると風で飛ばされたり、視界を遮ったりする。
1. 頭囲の正しい測り方
メジャー(または紐)を準備して、眉毛の上約1cmの位置から、水平に頭の後ろ(後頭部の一番出っ張っている部分)を通るようにメジャーを一周させる。
この測定値に、指1本分(約0.5cm~1cm)のゆとりを加えたものが、快適に着用できる推奨サイズだ。
私、頭囲57.4cmだったんですけど、中途半端ですよね。どっちのサイズを選べばいいんですか?
余裕を持って上のサイズ(58cm)を選ぶのがおすすめだ。帽子は汗や雨などで縮む可能性があるから、購入時にあえてワンサイズ大きめを選び、必要に応じてサイズ調整テープでフィットさせる方法もある。
2. サイズ調整機能
アジャスター:
- キャップタイプによく見られる後頭部の調整ベルトやドローコードで、簡単にサイズを合わせることができる。
サイズ調整テープ:
- アジャスターのないハットなどの帽子や、さらに細かくフィット感を調整したい場合に有効。帽子の内側のスベリ部分に貼ることで、約1cm程度サイズを小さくできる。
登山用品店や、Amazonなどのオンラインショップで購入できる。数百円で買えるから、サイズが合わない帽子を持っているなら試してみるといい。
第6章: メンテナンスと寿命
帽子は汗や汚れが付きやすいから、適切なメンテナンスが必要だ。
1. 洗濯方法
基本的なお手入れ:
- 普段のお手入れでは、まず軽く手で帽子を掃ったり、帽子用のブラシでブラッシングしたりして表面のホコリを落とす。
- 帽子の裏側、特に額が当たる部分(スベリ)は汗やファンデーションで汚れやすいため、水に濡らして固く絞ったタオルで拭き取る。
洗濯可能な帽子の場合:
- 洗濯表示を確認し、「液温40℃を限度とした手洗い」が可能なものがほとんど。
- 中性洗剤やおしゃれ着用洗剤を使用し、優しく押し洗いするのがおすすめ。柔軟剤や漂白剤は避ける。
- 揉み洗いは避け、押し洗いで行う。
- 洗剤や柔軟成分の残留を防ぐため、すすぎは十分に行い、泡が出なくなるまですすぐ。
- 脱水時はバスタオルに包んで水分を拭き取り、帽子の内側にタオルを入れて型崩れしないように干す。
洗濯ネットに入れれば洗濯機で洗える場合もあるが、洗った後には専用のスプレーで撥水加工を忘れないようにする。撥水性が落ちてきたと感じたら、専門業者に依頼するのもおすすめだ。
2. 寿命を延ばすためのポイント
汗止めパッドの使用:
- 汗や皮脂が気になる部分に汗止めパッドを装着すると、汚れの蓄積を防げる。
適切な保管:
- 使用しないときは形を整えて保管し、湿気や直射日光を避けて通気性の良い場所に置く。
複数の帽子をローテーション:
- 同じ帽子を毎日使うとダメージが蓄積しやすいため、複数の帽子をローテーションで使い分けると長持ちする。
使用頻度やメンテナンス次第だが、適切に手入れすれば5年以上は使える。ただし、UVカット加工は経年劣化するから、3年くらいで買い替えるのが理想だ。
第7章: 主要ブランドとモデル比較
最後に、主要ブランドのおすすめモデルを紹介しよう。
1. ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)
ホライズンハット (Horizon Hat)
- 登山、キャンプ、トレッキング、フェス、日常使いなど幅広いシーンで活躍する万能モデル。
- UVケア(UPF15~30)機能と、頭部全体のベンチレーションメッシュパネルによる高い通気性が特徴。
- 撥水加工済みのナイロン生地で小雨にも対応し、取り外し可能なあご紐も付いている。
ブリマーハット (Brimmer Hat)
- 頭をぐるっと取り囲むメッシュパネルが特徴の夏用トレッキングハット。
- UVケア機能を搭載し、紫外線を85%以上カット。
- ワイヤー入りのバイザーで形状調整も可能。
ホライズンハットは5,000円前後、ブリマーハットは6,000円前後だ。機能性を考えれば、コストパフォーマンスは悪くない。
2. パタゴニア(Patagonia)
クアンダリー・ブリマー (Quandary Brimmer)
- 軽量で通気性に優れ、速乾性があり、日差しを遮る広いつばを持つハット。
- あご紐付きで風が強い日でも安心して使用できる。
ダックビルキャップ
- 前方にしっかりとしたツバがあり、視界を確保しながら日差しを遮る。
- 通気性を高めるメッシュタイプが多く、汗を素早く外へ放出。
そうだ。パタゴニアの帽子は、オーガニックコットンやリサイクル・ポリエステルを使用しているものが多い。環境への配慮と機能性を両立している。
3. モンベル(mont-bell)
GORE-TEXストームハット (GORE-TEX Storm Hat)
- 防水透湿素材GORE-TEXファブリクス3レイヤーを採用した全天候型ハット。
- 大きなツバは襟元への雨だれや首筋の日焼けを軽減。
- 別売りのストラップや日よけ布の取り付けも可能。
メドーハット (Meadow Hat)
- 耐久撥水加工を施したGORE-TEXファブリクス3レイヤー素材を採用したオーソドックスなバケット型デザイン。
- トレッキングから街中まで幅広く使える。
モンベルって、日本のブランドですよね?日本人の頭の形に合ってるんですか?
そうだ。モンベルは日本人の頭の形に合わせて設計されているから、フィット感が良いと評判だ。しかも、価格も比較的リーズナブルで、コストパフォーマンスに優れている。
第8章: 結論「2つ持って使い分けろ」
どちらか一つに絞る必要はない。帽子は軽いので、ハットとキャップの両方を持っていき、状況に合わせて使い分けるのがスマートだ。
1. アプローチ(樹林帯)はハット
風が弱く、暑い樹林帯ではハットで日差しを遮る。360度のツバが顔、首、耳を広範囲に保護し、長時間の歩行でも日焼けを防ぐ。
樹林帯って、木陰があるから涼しいイメージですけど、それでもハットが必要なんですか?
樹林帯でも、木漏れ日が強い場所や、開けた林道では日差しが強い。特に夏場は、樹林帯でも紫外線対策が必要だ。
2. 稜線・岩場はキャップ
森林限界を超えて風が強くなったら、キャップに被り変える。または、ハットを折りたたんでザックにしまい、ヘルメットを被る。
キャップは風の抵抗を受けにくく、視界も広い。岩場でヘルメットの下に被ることもできるから、アクティブな登山にはキャップが適している。
確かに、帽子なんて軽いから2つ持っていってもいいですね!
そうだ。状況に合わせて道具を変えるのがスマートな登山者だ。
「今日は天気が良くて風もなさそうだからハット」「今日は岩場メインだからキャップ」と、山行計画に合わせて選ぶのも楽しみの一つだぞ。
3. 実践的な使い分け例
低山ハイク(樹林帯メイン):
- ハット1つでOK。日差しが強い場合はサファリハット、ファッション性を重視するならバケットハット。
高山縦走(稜線メイン):
- ハットとキャップの両方を持参。樹林帯ではハット、稜線ではキャップに変える。
岩場・クライミング:
- キャップ1つでOK。ヘルメットの下に被れる薄手のメッシュキャップが最適。
雨の日:
- GORE-TEXハット、またはキャップ+レインウェアのフードの組み合わせ。
なるほど、山行計画に合わせて選ぶんですね。でも、初心者はどっちから買えばいいんですか?
初心者なら、まずハットから買うのがおすすめだ。日焼け防止効果が高く、雨にも対応できるから、汎用性が高い。慣れてきたら、キャップも追加して使い分けるといい。
第9章: Q&A よくある質問
先生、他にも気になることがあるんですけど、いいですか?
Q1: あご紐って、本当に必要ですか?
稜線などの風が強い場所では、帽子が飛ばされないようにあご紐は必須だ。取り外し可能なあご紐が付いている製品や、既存の帽子にあご紐を後付けできるクリップ式ストラップもある。
風が弱い場所では邪魔に感じることもあるが、取り外し可能なタイプなら問題ない。風が強くなったら装着すればいい。
Q2: 帽子の色は、黒と白、どっちがいいですか?
紫外線カットを最優先するなら黒や濃紺、暑さ対策を最優先するなら白や淡い色がおすすめだ。ただし、UVカット機能付きの帽子を選べば、色に関わらず十分に紫外線を遮蔽できる。
じゃあ、UVカット機能付きの白い帽子が最強ってことですね!
理論上はそうだが、白は汚れが目立ちやすいので、メンテナンスが必要になる。濃すぎない中間色(ベージュ、カーキ、グレーなど)なら、紫外線防止効果がありつつも、汚れが目立ちにくい。
Q3: 帽子のサイズが合わない場合、どうすればいいですか?
サイズ調整テープを使えば、約1cm程度サイズを小さくできる。帽子の内側のスベリ部分に貼るだけだから、簡単だ。
サイズ調整テープを複数枚貼るか、アジャスター付きの帽子に買い替えるのがおすすめだ。サイズが大きすぎると、風で飛ばされやすくなるから、適切なサイズを選ぶことが重要だ。
Q4: 帽子は何年くらい使えますか?
使用頻度やメンテナンス次第だが、適切に手入れすれば5年以上は使える。ただし、UVカット加工は経年劣化するから、3年くらいで買い替えるのが理想だ。
え、3年で買い替えるんですか!?もったいなくないですか?
UVカット効果が落ちた帽子を使い続けると、日焼けのリスクが高まる。健康を考えれば、定期的に買い替える方が安全だ。ただし、GORE-TEXハットのような高機能モデルは、撥水加工を再施工すれば長く使えるから、コストパフォーマンスは悪くない。
Q5: 帽子を洗濯する頻度は?
使用後は毎回、額が当たる部分(スベリ)を濡れタオルで拭き取るのがおすすめだ。本格的な洗濯は、汚れが目立ってきたら行う。頻繁な洗濯は生地に負担をかけるから、汚れた部分だけを部分洗いするのが理想だ。
まとめ・比較表
先生、結局どっちを買えばいいのか、まだ迷ってます…。
| 特徴 |
ハット(全周ツバ) |
キャップ(野球帽タイプ) |
| 日焼け防止 |
◎ 顔、首、耳を360度保護。UPF50+で98%以上の紫外線をカット。 |
△ 顔の前面のみ保護。耳と首は無防備。サンシェードで補える。 |
| 耐風性 |
△ ツバが広く風を受けやすい。あご紐必須だが、強風下ではバタバタする。 |
◎ 風を受け流しやすく、強風下でも安定。 |
| 視界 |
△ ツバが視界を遮ることがある。 |
◎ 上を見上げる時もツバが邪魔にならない。 |
| 雨対策 |
◎ 広いツバが傘代わりになり、襟元から雨が入るのを防ぐ。GORE-TEXモデルなら完璧。 |
△ キャップ+フードの組み合わせで対応。 |
| 通気性 |
◯ メッシュパネル付きモデルなら快適。 |
◎ メッシュキャップなら非常に涼しい。 |
| 携帯性 |
◯ 折りたたみ可能なモデルが多い。 |
◎ コンパクトに収納しやすい。 |
| ヘルメット併用 |
× ヘルメットの下に被れない。 |
◎ ヘルメットの下に被れる。 |
| おすすめシーン |
樹林帯、低山ハイク、日差しの強い稜線、雨の日。 |
稜線、岩場、クライミング、風の強い日。 |
| おすすめユーザー |
初心者、日焼けを徹底的に防ぎたい人、雨の日も快適に過ごしたい人。 |
中級者以上、アクティブな登山をする人、ヘルメットを使う人。 |
| 価格帯 |
3,000円~10,000円(GORE-TEXモデルは高め) |
2,000円~6,000円 |
わかりました!私は初心者だから、まずハットを買います!
いい選択だ。ただし、お店で試着することを忘れるな。頭の形は人それぞれだから、実際に被ってフィット感を確認するのが重要だ。
それもいいな。ただし、UVカット機能付きのものを選ぶんだぞ。白でもUVカット加工がされていれば、十分に紫外線を遮蔽できる。
頑張れ。そして、慣れてきたらキャップも追加して、状況に合わせて使い分けるんだ。それがスマートな登山者への第一歩だぞ。
免責事項
※本記事の情報は執筆時点のものです。メーカーの仕様変更などにより、製品名やスペックが変わる場合があります。購入の際は公式サイトや店頭で最新情報をご確認ください。