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導入
先生〜、聞いてくださいよ。こないだ山に行ったら、背中が汗でびしょびしょになって、Tシャツが張り付いて最悪でした…。
ああ、それは不快だな。特に日本の梅雨から夏にかけては湿度が80%を超える。背中の蒸れは永遠の課題だ。汗冷えの原因にもなるから馬鹿にできないぞ。
そうなんですよ!リュック下ろした瞬間のあのヒヤッとする感じ、大っ嫌い!なんとかなりませんか?
ならば、オスプレー (Osprey) の出番だな。彼らは「背中の蒸れ」を撲滅するために、とんでもないシステムを開発したんだ。
ある。まるで「無重力」のような背負い心地と、風が通り抜ける背面システム。今日はオスプレーの快適さの秘密に迫るぞ。
概要: オスプレーの革命的通気性
オスプレーは1974年にアメリカで生まれたブランドだ。彼らの最大の特徴は、背面システムの革新性にある。
- アンチグラビティ (AG): 背面全体を特殊メッシュパネルで浮かせ、体とザックの間に空間を作る技術。90%以上がオープンエアのハニカム構造で、まるで背中に何も触れていないかのような感覚だ。
- エアスピード: トランポリンのようにメッシュを張り、通気性を極限まで高めた構造。日帰りから小屋泊向けのモデルに採用されている。
- コストパフォーマンス: 高機能なのに、他ブランドに比べて比較的リーズナブル。そして5〜10年使える耐久性がある。
ああ。実際、海外のハイカーには「10年前のアトモス50で、ジョン・ミューア・トレイル25日間を歩いた」という報告もある。長期投資として考えれば、決して高くはないんだ。
参考: 2010 Osprey Atmos 65 Durability Review - WhiteBlaze
[究極の通気性]なら「アトモスAG (Atmos AG)」

まず紹介するのは、オスプレーの代名詞とも言えるアトモスAG(女性用はオーラAG)だ。
「Anti-Gravity(アンチグラビティ)」、つまり反重力だ。
気分的にはな。背面から腰ベルトまで、継ぎ目のない一体成型のメッシュパネルが体を包み込む。これにより、背中とザックの間に巨大な空気の層ができるんだ。
技術の秘密:なぜ「反重力」なのか
でも、どうやって重いザックが浮いたような感じになるんですか?
まず、7075アルミニウム合金製のチューブラーフレームだ。これは航空機にも使われる高強度素材で、荷重下でもしなやかに体の動きに追従する。
次に、ステンレススチールワイヤー2本がフレーム下部に配置されていて、ヒップベルト部分にスプリングのようなテンションを提供している。
そして最後が、テンション張力メッシュパネルだ。これがトランポリンのように体全体を包み込み、荷重を一点に集中させず、背面全体に均等に分散させるんだ。
なんか…すごそうだけど、難しくてよくわかりません。
つまり、「重い荷物を背負っても、肩や腰の一箇所だけが痛くならない」ということだ。私が八ヶ岳でテント泊装備15kgを背負った時も、歩行時に体が引っ張られる感覚がなく、普通に歩けた。これは驚異的なことなんだ。
参考: 特徴的な背面構造で背負い心地が抜群! - 山と溪谷オンライン
機能とメリット
- 蒸れ知らず: 背中がザック本体に触れないので、風がスースー通る。真夏の北アルプスでも快適だった。
- 包み込まれるフィット感: メッシュが体全体に均一にテンションをかけるので、一点に重さが集中しない。18kgまでの荷重を快適に運べる。
- 可動式雨蓋: 荷物が増えても対応できる柔軟性がある。
- 長期耐久性: 210デニールナイロン(ベースは500デニール)で、5年以上の使用に耐える。
参考: Osprey Atmos AG 65 Review - Clever Hiker
リアリティとデメリット
すごい!これなら汗かかないかも!でも、なんか形が独特ですね?
そうなんだ。フレームが湾曲しているから、パッキング(荷詰め)が少し難しい。四角い物を入れるとデッドスペースができやすいんだ。
あと、独自の「ギシギシ」というきしみ音がすることがある。
え!?音が鳴るんですか!?それ、気持ち悪くないですか?
気になる人は気になるな。これは内部の金属フレームと生地が擦れることで発生する。特に角や、フレームがパック素材と接触する箇所で顕著だ。
うわぁ…静かな山で「ギシギシ」って鳴ったら恥ずかしい…。
ただし、解決策はある。シリコンスプレーをフレームの角と側面に生地越しにスプレーすれば、ほとんどの場合解消する。それでもダメなら、オスプレーのカスタマーサービスに連絡すれば、保証下で修理してくれる。交換品のフレームには滑りやすい塗装が施されているんだ。
それから、サイドのウォーターボトルポケットが使いにくいという声もある。パックに荷物を詰めるときつすぎて、ボトルが背中に押し付けられるか、完全にアクセス不能になることがあるんだ。
え、それ困りません?水分補給できないじゃないですか。
だからハイドレーションシステム(チューブで水を飲むやつ)を使うか、ヒップベルトポケットに小型ボトルを入れる工夫が必要だ。完璧なザックなど存在しない。どこかで妥協が必要なんだ。
あと、冬季使用には注意が必要だ。背面メッシュに雪が当たって溶けると、非常に濡れて寒くなる。冬山メインなら、ソリッドバックパネルのモデルを検討した方がいいかもしれない。
参考: Osprey Atmos AG User Reviews - The Broke Backpacker
製品仕様(アトモスAG 50)
- 容量: S/M=50L、L/XL=53L
- 重量: S/M=1.96kg、L/XL=2.06kg
- 推奨パッキングウエイト: 11〜16kg
- 価格: 31,570円(税込)〜
参考: OSPREY(オスプレー) アトモス AG 50 - 楽山荘
背負い心地の秘密:フィッティングが全て
ところで先生、サイズってどうやって選べばいいんですか?
重要な質問だ。オスプレーは「ザックのサイズ選びをTシャツではなく、靴のサイズ選びのように捉えるべき」と言っている。
つまり、「なんとなくMサイズ」ではなく、自分の体を正確に測定して選ぶべきだということだ。具体的にはトルソー長(背面長)を測る。
トルソー長の測り方

- C7椎骨の特定: 頭を前に傾け、首の付け根で最も突出する骨(第7頸椎)を見つける
- 腸骨稜の特定: 両手を腰に当て、骨盤の最も高い位置を見つける
- 測定: C7椎骨から脊柱のカーブに沿ってメジャーを下ろし、腸骨稜の高さまで測定
そうだ。ちなみに、女性用モデル(オーラ、エイジャ、シラス、カイトなど)は単にサイズが小さいだけじゃない。女性の骨盤の形に合わせてヒップベルトが斜めに設計されていたり、ショルダーハーネスのカーブが胸を圧迫しないようになっていたりと、骨格レベルで調整されているんだ。
だから「ユニセックスのSサイズ」じゃなくて、ちゃんと「女性用」を選ばなきゃダメなんですね。
その通り。女性は男性より腰の位置が高く、骨盤が広いから、女性用設計のモデルの方が圧倒的に快適なんだ。
うーん、なんかめんどくさくなってきた…。お店の人に測ってもらえばいいですか?
それがいい。必ずお店で測定してもらい、4.5〜9kg程度の荷物を入れた状態で試着するんだ。空のザックで試しても意味がない。
ああ。荷物を入れた状態で、ヒップベルトが腸骨稜の約2.5cm上に位置するか、ショルダーストラップが肩の最上部から約5cm下で始まるか、ロードリフターが30〜60度の角度になっているかを確認する。
ははは。要するに、「お店で重りを入れて、店内を歩き回ってみろ」ということだ。「背中に風が通る感覚」を体験したら、もう他のリュックには戻れないかもしれないぞ。
参考: Everything You Ever Wanted to Know About Sizing and Fit - Osprey
[軽量&快適]なら「エクソス (Exos)」

次はエクソス(女性用はエイジャ)だ。これはUL(ウルトラライト)ハイカーにも愛用者が多い、軽量モデルだ。
アトモスほどの重厚なサスペンションはないが、それでも「エアスピード」サスペンションで通気性は抜群だ。そして何より軽い。58Lモデルでも約1.62kgだ。
ああ。この約400gの差は、長時間歩くと大きな違いになる。
機能とメリット
- 軽さは正義: 余計な機能を削ぎ落とし、必要十分な機能に絞っている。100デニールナイロンで軽量化。
- 背面の涼しさ: 軽量モデルなのに、しっかり背面が浮いているのはオスプレーならでは。
- 雨蓋が外せる: さらに軽くしたい時は、雨蓋を取り外して「フラップジャケット」だけで運用できる。
- 長期耐久性: 軽量だが、5年以上の使用実績あり。「600〜700マイル使用で問題なし、新品同様」という報告も。
参考: Osprey Exos 58 Review - Clever Hiker
リアリティとデメリット
待て待て。軽いということは、クッションも薄いということだ。荷物が12kg〜13kgを超えると、肩や腰に食い込んで痛くなる可能性がある。
例えば、テント泊で3泊分の食料を持つと、水も含めて15kg近くになることがある。そうなるとエクソスでは厳しい。アトモスAGの出番だ。
あと、生地が薄いから、岩角に引っ掛けたりすると破れやすい。アトモスが210デニールなのに対し、エクソスは100デニールだ。丁寧に扱える人向けだな。
なら、最初はアトモスかストラトスの方が安心かもしれない。
製品仕様(エクソス58)
- 容量: 58L
- 重量: 約1.62kg
- 最大積載重量: 約22.7kg(推奨は13kg程度まで)
- 価格: 約25,000円〜
参考: Osprey Exos 58 Backpack Review - Better Trail
[日帰りハイキング]なら「ストラトス (Stratos)」
Image Prompt: オスプレー「ストラトス」を背負い、森の中の木漏れ日を浴びながら歩くハイカー。リラックスした雰囲気。
最後に、日帰りから小屋泊に最適なストラトス(女性用はシラス)を紹介しよう。通気性に特化したモデルとしては完成度が高い。
完成度が非常に高いんだ。背面長調整もできるし、レインカバーも標準装備。そして価格も手頃だ。
エアスピードサスペンションとは
ストラトスは「エアスピード」なんですよね。アンチグラビティとどう違うんですか?
いい質問だ。エアスピードは、軽量メッシュパネルがパック全体を貫通していて、パックと背中の間に誇張された空間を確保している。通気性・空気循環を最優先にした設計だ。
一方、アンチグラビティは、シームレスなトランポリン状メッシュパッドが背面パネルとヒップベルト全体をカバーしていて、荷重分散と快適性を最優先にしている。
つまり、エアスピードは「涼しさ重視」、アンチグラビティは「重い荷物も快適」ってことですか?
その理解で正しい。ストラトスは日帰りから小屋泊の軽量荷物向けだから、エアスピードで十分なんだ。
参考: Osprey AirSpeed vs AntiGravity - Babaik.es
機能とメリット
- オールインワン: 必要な機能が全部入り。初心者が最初に買うザックとして最適解の一つだ。
- フロントアクセス: ジッパーでガバッと開くので、奥の荷物が取り出しやすい。
- 頑丈: 生地もしっかりしていて安心感がある。
- 背面長調整: ベルクロで無段階調整可能。家族で共有することもできる。
リアリティとデメリット
強いて言えば、少し重いかな。機能てんこ盛りだから、同クラスの他社製品より数百グラム重いことがある。36Lモデルで約1.5kg前後だ。
ああ。でも、背負い心地が良いから重さはあまり感じないはずだ。実際、「背中全体に吸い付くようなフィット感で、長時間背負っても肩が痛くならない」という評価が多い。
製品仕様(ストラトス36)
- 容量: 34L/36L
- 重量: 約1.5kg
- 用途: 日帰り〜小屋泊
- 価格: 約20,000円〜
参考: 日帰り&小屋泊登山に最適なザック-オスプレー ストラトス&シラス
日本市場の真の人気モデル
ところで先生、オスプレーで一番売れてるのってどれなんですか?
実は、オスプレーのリュックはケストレル(Kestrel)(女性用はカイト)が日本市場では大定番なんだ。38〜48Lクラスで非常に人気がある。
ケストレルは「エアスケープ」という別の背面システムを採用していて、通気性はストラトスやアトモスAGほど極端ではない。溝が刻まれたフォームパネルとスペーサーメッシュの組み合わせで、安定性と通気性をバランスさせている。
今回のテーマは「背中の蒸れを撲滅する」だからな。通気性を最優先するなら、アトモスAG、エクソス、ストラトスの3つが最強なんだ。ケストレルは「バランス型」で、確かに売れているが、蒸れ対策としては一歩譲る。
なるほど。じゃあ、「とにかく涼しいのがいい」なら今回の3つ、「バランス重視」ならケストレルってことですね。
その通り。ちなみに、日帰り〜小屋泊用の軽量モデルではタロン(Talon)(女性用はテンペスト)も人気だ。これもエアスケープ採用で、さらに軽量化された素材を使っている。
参考: オスプレーの「ザック」で人気なのは「イーサー」?「ケストレル」? - 山と溪谷オンライン
もっと軽く!最新の派生モデル
先生、アトモスAGは2kg超えで重いって言ってましたけど、もっと軽いのないんですか?
実は最近、アトモスAG LTという軽量版が出たんだ。
「Light(ライト)」の略だ。標準モデルより約230g軽量化されている。組織化機能とフィット調整を簡素化することで軽くしたんだ。
ああ。ただし、ポケットが減ったり、調整機構がシンプルになったりするから、「機能てんこ盛り」が好きな人には物足りないかもしれない。
ある。エクソスProだ。これは通常のエクソス58より約333g軽量化されていて、約941gしかない。
ただし、最大快適積載重量は約13.6kg(30ポンド)までだ。それ以上になると厳しい。リサイクル素材を使っているのも特徴だな。
そういうことだ。自分の山行スタイルに合わせて選ぶといい。
参考: Osprey Atmos AG LT 65 Review - Switchback Travel
参考: Osprey Exos Pro 55 Review - Section Hiker
パッキングのコツ:湾曲フレームの攻略法
先生、アトモスAGは「パッキングが難しい」って言ってましたけど、具体的にどうすればいいんですか?
いい質問だ。湾曲フレームのザックは、パッキングの基本原則を守ることが特に重要なんだ。
基本原則
-
重い物を背中の中央に配置
- 脊椎に近く、肩甲骨と腰の間に集中させる
- 食料、調理器具、満水のハイドレーションリザーバーなど
-
下部コンパートメントには軽くて嵩張る物
- 寝袋など、日中アクセスしない物
- 最重量物は配置しない(コアより下に吊るされるため)
-
パックは「縦長で細い」シルエットを目指す
- 荷重が体の適切な位置に保たれる
- 横に広がると重心が不安定になる
四角い物(お弁当箱など)は、できるだけ縦向きに配置する。横向きに入れるとデッドスペースができやすい。あとは、コンプレッションバッグやスタッフバッグで内部を区分けして、隙間を埋める工夫が必要だ。
最初は試行錯誤が必要だが、慣れればパズルのように楽しくなるぞ。よくパッキングされたパックは、体の最適な部位に荷重を乗せ、バックシステムと相乗効果を発揮するんだ。
参考: How to Pack Your Backpack - Osprey
参考: How to Pack a Backpack - Switchback Travel
Q&A:よくある質問
Q1: きしみ音が気になる場合は?
さっきの「ギシギシ」音、やっぱり気になります。対処法を詳しく教えてください。
メジャーな対策としては、シリコンスプレーをフレームの角と側面に生地越しにスプレーする。これで大抵は解消する。
それでもダメなら、ストラップ調整だ。コンプレッションストラップ、ウエスト、ショルダーストラップを微調整すると、フレームと生地の接触が変わって音が消えることがある。
シリコンスプレーでもダメな場合の「裏技」もあるぞ。
フレームと生地が擦れている箇所を特定して、フレーム側に医療用テープや薄手の保護テープを巻くんだ。物理的に摩擦をなくすわけだ。カモテープや電気テープでも効果がある。
なるほど、絆創膏貼るみたいな感じですね。それなら私でもできそう。
ああ。ただし、テープは定期的に巻き直す必要がある。それが面倒なら、最終手段として保証交換だ。オスプレーのカスタマーサービス(日本はロストアロー、電話049-271-7113)に連絡すれば、保証下で修理してくれる。交換品のフレームには滑りやすい塗装やテフロンコーティングが施されているんだ。
参考: Squeaky Backpack [SOLVED] - Gear Assistant
Q2: 洗濯はできる?
汗だくになったら洗いたいんですけど、洗濯機に入れていいんですか?
絶対にダメだ。洗濯機はフレームやメッシュを痛める。
正しい方法は、ぬるま湯に中性洗剤を溶かして、スポンジで優しく洗う。特に背面メッシュと肩ベルトは汗が染み込みやすいから、念入りに。その後、十分にすすいで、日陰で自然乾燥させる。
Q3: 何年使える?
使い方次第だが、5〜10年は使える。実際、「10年前のアトモス50で、ジョン・ミューア・トレイル25日間、ウィンドリバー10日間、アイスランド1週間ハイク、多数の短期ハイクを経験して健在」という報告がある。ただし、岩場を頻繁に歩いたり、雑に扱ったりすれば、当然寿命は短くなる。
耐久性の証明として、実はプロの山岳ガイドやクライマーは「ミュータント(Mutant)」というアルパインモデルを愛用している。岩に擦れ、氷に叩かれる過酷な環境でプロが信頼を寄せているブランドなんだ。
プロ御用達…!それ聞くと安心感が違いますね。ハイキング用のモデルも、そのDNAを受け継いでいるってことか。
その通り。オスプレーは「よく設計され、耐久性があり、多用途で、印象的に快適」とプロから評価されている。だからこそ、一般のハイカーにも自信を持って勧められるんだ。
参考: 2010 Osprey Atmos 65 Durability Review - WhiteBlaze
参考: Review: Osprey Mutant 38L Climbing Pack - Base Magazine
Q4: 修理はどこで?
まず、正規代理店のロストアローに連絡する。電話は049-271-7113、平日11:00〜17:00だ。
ここが重要なんだが、日本の保証は海外と少し違う。海外では「All Mighty Guarantee」という生涯保証で、理由を問わずあらゆる損傷を無料で修理または交換してくれる。しかし、日本の代理店(ロストアロー)は「製品の常識的な製品寿命の期間中に生じた原材料および製造上の不具合」に限られる。
つまり、通常使用において起こりうる傷や経年劣化、酷使や事故による破損は保証対象外だ。その場合は適正な料金で修理対応になる。
そういうことだ。だから、「オスプレーは生涯保証だから雑に扱っても大丈夫」と思い込むのは危険だ。日本の代理店のルールをよく確認しろよ。
また、メーカー修理は納期が長いことがあるから、急ぐ場合はかばん修理専門店に依頼する手もある。
参考: 品質保証 | オスプレー - ロストアロー
参考: Osprey Warranty - Global vs Japan
Q5: 冬山でも使える?
アトモスAGは冬山ダメって言ってましたけど、他のモデルは?
エクソスやストラトスも、背面メッシュがある以上、雪が当たって溶けると濡れる問題は同じだ。
冬山メインなら、ソリッドバックパネル(メッシュじゃない普通の背面)のモデル、例えばグレゴリーのバルトロなどを検討した方がいい。
ただし、「雪が降らない冬の低山ハイキング」程度なら、オスプレーでも問題ない。要は使い方次第だ。
まとめ・比較表
蒸れないのがいいから、やっぱりオスプレーいいなぁ。でも、どれを選べばいいか迷います。
「汗かき」を自認するなら、オスプレーは最強の選択肢だ。日本の梅雨から夏にかけての高湿度環境(80%超)では、通気性の良さが快適性を大きく左右する。
| シリーズ名 |
特徴 |
おすすめユーザー |
重量目安 |
価格目安 |
| アトモスAG (Atmos AG) |
究極の通気性、反重力フィット、18kgまで快適 |
汗かきの人、重装備でも快適に歩きたい人、テント泊メイン |
重め (2kg弱) |
¥31,570〜 |
| エクソス (Exos) |
軽量と通気性の両立、13kgまで推奨 |
荷物を軽くしたい人、UL志向の人、小屋泊メイン |
軽い (1.2〜1.6kg) |
¥25,000〜 |
| ストラトス (Stratos) |
バランスの取れた万能モデル、初心者に最適 |
初心者、日帰り〜小屋泊メインの人、最初の一つ |
普通 (1.5kg前後) |
¥20,000〜 |
| ケストレル (Kestrel) ※参考 |
安定性と通気性のバランス型、日本市場で大定番 |
バランス重視の人、オールラウンダー |
普通 (1.5kg前後) |
¥20,000〜 |
今回は「蒸れ対策」に特化した3モデルを紹介したが、日本市場で実際に一番売れているのはケストレルだ。通気性はこの3つほど極端ではないが、安定性とのバランスが良く、万人受けする。「とにかく涼しい」ならアトモスAG・エクソス・ストラトス、「バランス重視」ならケストレルと覚えておけ。
競合との比較
グレゴリーとかドイターとかもありますよね。オスプレーの方がいいんですか?
一概には言えない。グレゴリーのバルトロは、豪華なパッディングと岩のように堅牢なサスペンションで、重荷重の運搬に特化している。20kg超えの荷物を運ぶなら、グレゴリーの方が向いているかもしれない。
ドイターは、クラシックで頑丈なデザインで、エコフレンドリーイニシアチブにも力を入れている。
ただし、通気性に関しては、オスプレーのアンチグラビティシステムは業界唯一の全メッシュバックパネル+ヒップベルト一体型で、他ブランドと一線を画している。
つまり、「蒸れない」ならオスプレー、「超重い荷物」ならグレゴリーってことですね。
参考: Osprey vs Gregory Backpacks - The Hiking Tribe
最後のアドバイス
ただし、オスプレーの背面は湾曲がきついから、人によっては腰に当たって痛いという場合もある。
その通り!お店で重りを入れて、店内を歩き回ってみるんだ。「背中に風が通る感覚」を体験したら、もう他のリュックには戻れないかもしれないぞ。
そして、これは5〜10年使える長期投資だと考えてくれ。初期価格は高く感じるかもしれないが、1年あたりで計算すれば、決して高くはない。
免責事項
※本記事の情報は執筆時点のものです。最新の製品仕様や価格については、メーカーの公式サイト等でご確認ください。また、登山用具の使用感には個人差があります。