初心者必見!登山の「レイヤリング」完全ガイド〜汗冷え地獄を回避する重ね着の極意〜
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目次
導入
「登山って、何を着ていけばいいかわからない…」「山で汗をかいたら急に寒くなって震えた」——そんな経験はありませんか?
登山における服装選びは、単なるファッションではなく命に関わる重要なスキルです。正しい重ね着の技術、つまり「レイヤリング」を知らないと、最悪の場合は低体温症で命を落とす危険すらあります。
この記事では、登山初心者が必ず知っておくべきレイヤリングの基本から、素材選び、季節別の組み合わせ、そして「なぜ綿はダメなのか」という科学的根拠まで、JKと先生の会話形式で徹底解説します。
登場人物紹介


レイヤリングって何?基本の3層構造を知ろう




参考情報: 「登山ウェアは、主に「ベースレイヤー」「ミドルレイヤー」「アウターレイヤー」の3層で構成されるのが基本です」
出典
https://www.yamakei-online.com/
3層構造の役割
| レイヤー | 役割 | 例 |
|---|---|---|
| ベースレイヤー(肌着) | 汗を吸って外へ逃がす | 速乾Tシャツ、メリノウール |
| ミドルレイヤー(中間着) | 保温する | フリース、インサレーション |
| アウターレイヤー(外殻) | 雨・風・雪を防ぐ | レインウェア、ハードシェル |




【超重要】綿がNGな科学的理由




参考情報: 「水は空気と比較して約25倍も熱を伝えやすい性質(熱伝導率が高い)を持っています。濡れた綿の衣類が肌に密着していると、体から外界へ効率的に熱が伝わり、体温が急速に低下します」
出典
https://www.descente.co.jp/
綿がダメな3つの理由
1. 吸うけど乾かない
綿は汗をよく吸うが、繊維が水分を溜め込む性質があり、一度濡れると全然乾かない。
2. 気化熱で体温を奪う
汗が蒸発するとき、体表面から熱を奪う(気化熱)。綿は乾燥が遅いから、延々と体温を奪い続ける。
3. 水の熱伝導率は空気の25倍
濡れた綿が肌に張り付くと、水を通じて体の熱が外に逃げていく。空気より25倍も熱を伝えやすいから、みるみる体が冷える。



ベースレイヤー:肌に触れる一番大事な層


素材比較:化繊 vs メリノウール vs ハイブリッド
| 項目 | 化繊(ポリエステル等) | メリノウール | ハイブリッド |
|---|---|---|---|
| 速乾性 | ◎ 非常に速い | △ ゆっくり | ○ 中間 |
| 保温性 | △ 濡れると冷える | ◎ 濡れても暖かい | ○ バランス良好 |
| 防臭性 | × 臭いやすい | ◎ 数日OKレベル | ○ まずまず |
| 耐久性 | ◎ 丈夫 | △ 毛玉できやすい | ○ 中間 |
| 価格 | ○ お手頃 | × 高い | △ やや高い |
| フィット | ○ 体にフィット | ◎ 柔らかく心地よい | ○ 良好 |


参考情報: 「メリノウールは、メリノ種の羊から採れる天然素材で、自重の最大35%もの湿気を吸収できる」
出典
https://funq.jp/




ベースレイヤー選びの目安
| 季節・活動 | おすすめ素材 |
|---|---|
| 夏・トレラン(大量発汗) | 薄手の化繊 |
| 春・秋の日帰り登山 | 中厚手メリノ or ハイブリッド |
| 冬・雪山 | 厚手メリノ or ハイブリッド |
| 山小屋泊・縦走 | メリノ(防臭性重視) |
ドライレイヤー:汗冷え対策の切り札




参考情報: 「柔らかな極薄メッシュ生地に、強力な撥水性をプラス。吸汗速乾ウエアの下に着ることで、肌に最も近い「ドライレイヤー®」が水を弾き、汗や濡れによる冷えを防ぎます」
出典
https://www.finetrack.com/drylayer/


ドライレイヤーの2大ブランド
ファイントラック ドライレイヤー
- アプローチ: 生地に強力な撥水加工。汗を水玉のように弾く
- ラインナップ:
- ベーシック(オールシーズン): ¥4,950〜
- クール(夏向け、涼しい): ¥5,830〜
- ウォーム(冬向け、暖かい)
- 実績: 購入者の96%が効果に満足
ミレー ドライナミックメッシュ
- アプローチ: 厚みのあるメッシュ(通称「アミアミ」)で濡れたウェアの張り付きを防ぐ
- 特徴: 空気の層で保温性もプラス



ミドルレイヤー:保温と通気のバランスが命


ミドルレイヤーの種類
1. フリース
参考情報: 「起毛素材で空気を多く含み、保温性に優れています。汗を吸い上げて処理する機能も持ち、伸縮性が高く動きやすい」
出典
https://www.yamahack.com/
主なスペック
- 保温性と通気性のバランスが良い
- ストレッチ性が高く動きやすい
- 種類が豊富(薄手〜厚手)
- 比較的丈夫で長持ち
こんな人におすすめ
- 幅広い季節で使いたい人
- 岩場など動きが多いルートを行く人
- 1着で汎用性を求める人
注意点
- 風を通しやすい(アウターとの併用が基本)
- 厚手はかさばりやすい


2. ダウンインサレーション
主なスペック
- 非常に軽量
- コンパクトに収納可能
- 保温力が極めて高い
こんな人におすすめ
- テント泊や山小屋での停滞用
- 休憩時の防寒着として
- できるだけ荷物を軽くしたい人
注意点
- 水濡れに弱い(汗や雨で保温力が激減)
- 行動中に着ると暑くなりすぎる
参考情報: 「ダウン製品は軽量でコンパクトですが、濡れると保温性が低下するため注意が必要です」
出典
https://www.teton-bros.com/


3. 化繊インサレーション(アクティブインサレーション)
参考情報: 「アクティブインサレーションは、保温性と同時に高い通気性を備え、行動中に着用してもオーバーヒートしにくいように設計されています」
出典
https://www.outdoorgearzine.com/
主なスペック
- 濡れても保温性を維持
- 高い通気性でオーバーヒートしにくい
- 速乾性に優れる
- 行動中に着たまま動ける
こんな人におすすめ
- 雪山を行動しながら保温したい人
- 汗をかきやすい人
- 濡れる環境が多い人
注意点
- ダウンよりかさばる場合がある
- 通気性が低いモデルだと蒸れることも


ミドルレイヤーの使い分け
| 用途 | おすすめ |
|---|---|
| 行動中の保温 | アクティブインサレーション、薄手フリース |
| 休憩・停滞時 | ダウン |
| オールラウンド | 中厚手フリース |
| 雪山の行動着 | 化繊インサレーション |
アウターレイヤー:最後の砦


アウターの種類
1. ハードシェル
参考情報: 「ハードシェルは高い防水・防風・耐久性能を持ち、厳冬期や悪天候時の登山に不可欠」
出典
https://note.com/
主なスペック
- 高い防水性・防風性(耐水圧20,000mm以上)
- 優れた耐久性(岩やピッケルにも強い)
- GORE-TEXなどの防水透湿素材が主流
- ベンチレーション機能で温度調整
こんな人におすすめ
- 雪山登山をする人
- 縦走や悪天候での行動が多い人
- 耐久性を重視する人
注意点
- 生地が硬めでシャカシャカ音がする
- 価格が高い傾向


2. ソフトシェル
参考情報: 「ソフトシェルは、撥水性、防風性、通気性、ストレッチ性をバランス良く兼ね備えたウェアです。『着たまま動ける』快適さが最大の魅力」
出典
https://stridelab.jp/
主なスペック
- 撥水性・防風性・通気性・ストレッチ性のバランス
- 柔らかく動きやすい
- 蒸れにくく快適
こんな人におすすめ
- 春・秋の行動着として
- 動きの多いアクティビティ
- 1枚で行動したい人
注意点
- 完全防水ではない(本降りの雨はNG)
- 上にレインウェアを持参する必要あり


3. レインウェア
主なスペック
- 防水性・透湿性・防風性
- 軽量・コンパクト収納
- 上下セパレートタイプが登山の基本
- 視認性の高い色(赤・黄)が遭難時に有利
こんな人におすすめ
- 日帰り登山メイン
- 軽量化を重視
- まず1着目のアウターを買う人
注意点
- ハードシェルより耐久性は劣る
- 長時間の悪天候には厳しい場合も


| 項目 | レインウェア | ハードシェル |
|---|---|---|
| 目的 | 雨対策 | 総合的な防護 |
| 耐久性 | 普通 | 高い |
| 防風性 | 中程度 | 非常に高い |
| 用途 | 日帰り・低山 | 縦走・雪山 |

季節別レイヤリング組み合わせ例


春(寒暖差が大きい・天候変化に注意)
| レイヤー | アイテム例 |
|---|---|
| ベース | 速乾化繊 or 薄手メリノウール長袖 |
| ミドル | 薄手フリース or ライトジャケット |
| アウター | 防風・防水アウター必携 |
| ボトムス | 通気性重視のトレッキングパンツ |


夏(暑いが高山は低温・紫外線対策)
| レイヤー | アイテム例 |
|---|---|
| ベース | 化繊 or 薄手メリノ(半袖/長袖) |
| ミドル | 薄手ウィンドブレーカー(高山は軽量フリース携行) |
| アウター | 完全防水レインウェア必携 |
| ボトムス | 薄手長ズボン or ショートパンツ+タイツ |


秋(紅葉シーズン・朝晩の冷え込み)
| レイヤー | アイテム例 |
|---|---|
| ドライ | ドライレイヤー推奨 |
| ベース | 化繊 or ウール混長袖 |
| ミドル | 薄め〜中厚フリース |
| アウター | ソフトシェル活躍、完全防水アウター携行 |
| 小物 | グローブ、ネックウォーマー準備 |


冬(厳しい寒さ・防寒最優先・汗冷え=致命的)
参考情報: 「冬山では汗冷え防止に特に重要で、汗を素肌から切り離し、肌をドライに保ちます」
出典
https://www.yamap.com/
| レイヤー | アイテム例 |
|---|---|
| ドライ | 必須(ぴったりフィット) |
| ベース | 厚手メリノウール or 保温性化繊 |
| ミドル | 化繊インサレーション or テクニカルフリース+ダウン携行 |
| アウター | ハードシェル(防寒・防水・透湿) |
| 小物 | グローブ(アウター+インナー)、厚手ソックス、帽子、サングラス |


脱ぎ着のタイミング:レイヤリングの真髄


参考情報: 「暑いと感じる前に1枚脱ぐ、寒いと感じる前に1枚羽織るなど、積極的にレイヤーを調整しましょう」
出典
https://www.yamakei-online.com/
脱ぎ着のタイミング
| タイミング | 対応 |
|---|---|
| 登り始め | 朝寒くてもミドル/アウターを1枚脱いで薄着でスタート |
| 行動中 | 暑いと感じる前に脱ぐ。ジッパー開閉で微調整 |
| 休憩中 | 行動停止後すぐに保温着を羽織る(急速に冷える) |
| 天候変化 | 雨や風に備えアウターをすぐ着用できる準備 |




よくある失敗例
- 登り始めに厚着しすぎ → すぐ汗だく → 休憩で汗冷え
- 休憩時にすぐ着ない → 体が冷えきってから着ても遅い
- 脱ぎ着を面倒がる → オーバーヒートか冷えのどちらか


おすすめブランド&製品


ベースレイヤー
モンベル(Montbell)
参考情報: 「ジオラインは化学繊維製のベースレイヤーで、吸湿速乾性に優れ、汗冷えを防ぐ効果が高い」
出典
https://www.montbell.jp/
| シリーズ | 特徴 | 季節 |
|---|---|---|
| ジオライン L.W. | 薄手・速乾 | 夏〜秋 |
| ジオライン M.W. | 中厚手・オールラウンド | 春秋・冬行動着 |
| ジオライン EXP. | 厚手・保温重視 | 厳冬期 |
| ジオライン クールメッシュ | 涼しい | 真夏 |
| スーパーメリノウール | 保温・防臭 | 秋冬 |


パタゴニア(Patagonia)キャプリーンシリーズ
参考情報: 「キャプリーンクールデイリーは、山でも日常でも使える汎用性の高いモデル。吸湿速乾性、伸縮性、防臭加工に優れ、シルクのような滑らかな肌触り」
出典
https://www.yamap.com/
| モデル | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| クール・デイリー | 汎用性高い・防臭加工 | 普段使い〜登山 |
| クール・ライトウェイト | 最軽量 | トレラン・高負荷 |
| ミッドウェイト | 適度な厚み・万能 | 寒い時期の行動 |
| サーマルウェイト | 厚手・高通気・保温 | 冬の激しい活動 |


アークテリクス(Arc'teryx)
| モデル | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| ロー LT クルーネック | Torrent™素材・吸湿発散 | オールラウンド |
| サトロ メリノウール クルー | 240gsm中厚手メリノ | 長時間活動 |


まとめ:レイヤリング成功の7か条


- 綿は絶対NG — 科学的に汗冷えを引き起こす死の素材
- 3層(+ドライレイヤー)の役割を理解 — 各層が連携して機能する
- 素材選びは季節と活動に合わせる — 化繊 vs メリノウール
- こまめな脱ぎ着 — 汗をかく前に脱ぐ、冷える前に着る
- ドライレイヤーは汗冷え対策の切り札 — 特に冬山では必須級
- ミドルは用途で使い分け — 行動中は通気性、休憩時は保温性
- アウターは天候と環境に合わせる — ハードシェル vs ソフトシェル vs レインウェア




比較表:レイヤリング早見表
| レイヤー | 役割 | 主な素材・種類 | ポイント |
|---|---|---|---|
| ドライレイヤー | 肌をサラサラに | 撥水メッシュ | 冬山では必須級 |
| ベースレイヤー | 汗を吸って発散 | 化繊・メリノウール・ハイブリッド | 綿はNG |
| ミドルレイヤー | 保温・通気 | フリース・ダウン・化繊インサレーション | 用途で使い分け |
| アウターレイヤー | 雨風雪から守る | ハードシェル・ソフトシェル・レインウェア | 環境で選択 |
先生の最後のアドバイス
レイヤリングは登山の基本中の基本だ。正しい知識と装備があれば、山はもっと快適で安全になる。逆に、レイヤリングを軽視すれば命に関わる。ぜひこの記事を参考に、自分に合ったレイヤリングシステムを構築してくれ。