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モンベルのトレッキングポールを使って登山する人の写真。山道を歩く様子。

導入

トレッキングポールって、登山ショップに行くとずらっと並んでいて、どれを選べばいいのか全然わからない…。モンベルだけでも何種類もあるし、値段も7,000円から15,000円くらいまでバラバラ。「U.L.フォールディング」「アルパインカーボン」「2-Wayグリップ」って、一体何が違うの?そもそもトレッキングポールって本当に必要なの?

そんな疑問を抱えるあなたのために、この記事ではベテラン登山ガイドの先生に、モンベルのトレッキングポール全モデルの違いと、自分に合った1本の選び方を教えてもらいました。初心者でも迷わず選べるよう、JKと先生の会話形式でわかりやすく解説します。

登場人物紹介

JK
登山を始めたばかりの初心者。見た目も大事だけど、何より「楽に登りたい」と思っている現実主義者。専門用語は苦手で、すぐに「それって意味あるんですか?」と突っ込む。
先生
登山歴20年のベテランガイド。機能性と安全性を何より重視する。無骨だが、初心者の疑問には丁寧に答えてくれる。口調は「〜だ」「〜だな」調。

そもそもトレッキングポールって必要なの?

JK
先生、トレッキングポールって本当に必要なんですか?荷物増えるし、邪魔じゃないですか?
先生
その気持ちはわかる。だが、トレッキングポールは登山における「第三、第四の足」だ。膝への負担を30%以上軽減するというデータもある。特に下山時、膝にかかる衝撃は体重の3倍以上になる。それをポールで分散できるんだ。
JK
3倍!? それはヤバいですね…。でも、みんな使ってるわけじゃないですよね?
先生
ああ、若くて体力がある人は使わないこともある。だが、長時間の山行や、テント泊で荷物が重い時、あるいは膝に不安がある人には必須だ。疑似四足歩行になることで、足だけでなく腕の筋肉も使えるから、疲労が分散される。
JK
なるほど…。じゃあ、どれを選べばいいんですか?モンベルだけでも種類多すぎません?
先生
それを今から説明しよう。モンベルのトレッキングポールは、大きく分けて7つのシリーズがある。それぞれ用途が違うんだ。

モンベルトレッキングポール 全シリーズ解説

1. 超軽量派なら「U.L.フォールディングポール」

先生
まず、最も軽量でコンパクトなのが「U.L.フォールディングポール」だ。120cmモデル2本で330gしかない。一般的なトレッキングポールは2本で400g以上だから、かなり軽い。

U.L.フォールディングポールを折りたたんでザックに収納する様子。

JK
330g!? スマホ2台分くらいですか?
先生
そうだな。しかも折りたたむと37cmになる。ザックの中に入れられるから、枝に引っかかる心配もない。トレイルランニングやハイキングに最適だ。
JK
でも、軽いってことは弱いんじゃないですか?
先生
鋭い質問だ。確かに、このポールはアルミ製で、各段の肉厚を最適化することで軽量化している。だから、体重を思い切り預けるような使い方には向かない。あくまで「バランス補助」として使うのが前提だ。
JK
じゃあ、重い荷物を背負ってる時はダメってことですか?
先生
その通り。テント泊で20kg以上の荷物を背負う場合は、もっと頑丈なモデルを選ぶべきだ。あと、このモデルは長さ調節ができない固定長式だから、グリップの握る位置で調整する必要がある。
JK
え、長さ変えられないんですか?不便じゃないですか?
先生
グリップが長めに設計されているから、握る位置を変えることで対応できる。ただし、細かい調整はできないから、登りと下りで最適な長さにしたい人には向かないな。

主なスペック

  • 重量: 105cmモデル145g、113cmモデル149g、120cmモデル2本で330g
  • 収納サイズ: 37〜39cm
  • 素材: アルミニウム合金
  • 価格: ¥7,800〜¥8,100(税込)
  • ロック方式: ラチェットロック(自動ロック)
  • 長さ調節: 不可(固定長式)

こんな人におすすめ

  • 日帰りハイキングやトレイルランニング
  • とにかく軽量化したい人
  • ザックの中に収納したい人

注意点

  • 体重を預けるような使い方には不向き
  • 長さ調節ができない
  • バスケットが固定式で交換不可(冬季使用に限界)

2. バランス重視なら「アルパインポールシリーズ」

先生
次は「アルパインポール」シリーズだ。これは登山全般で使える、最もスタンダードなI型グリップのポールだ。

アルパインポールを使って登山道を登る様子。

JK
I型グリップって何ですか?
先生
スキーのストックみたいに、まっすぐなグリップのことだ。2本使いが基本で、登りでは推進力を得やすく、下りでは膝への負担を軽減できる。バランスが取りやすいから、初心者にもおすすめだ。
JK
へー。じゃあ、このシリーズが一番無難ってことですか?
先生
そうだな。アルミニウム合金製で耐久性が高く、価格も手頃だ。さらに、このシリーズには3つのバリエーションがある。
  1. アルパインポール(標準モデル)

    • 伸ばすだけで自動ロックされる下段シャフト
    • ツイストロック方式で長さ調節が可能
    • シンプルで故障しにくい
  2. アルパインポール アンチショック

    • 内蔵スプリングで衝撃を吸収
    • 手首や膝への負担を軽減
    • 下山時に特に効果を発揮
  3. アルパインポール カムロック アンチショック

    • レバー操作で簡単に長さ調節可能
    • グローブをしたままでも操作しやすい
    • アンチショック機能も搭載
JK
アンチショックって、そんなに違うんですか?
先生
特に下山時に違いを実感する。岩場で地面を突いた時の「ガツン」という衝撃が、スプリングで吸収されるんだ。長時間使うと、手首や肘の疲労が全然違う。
JK
でも、その分重くなるんじゃないですか?
先生
鋭いな。アンチショック機構が入る分、20〜30g程度重くなる。それに、人によっては沈み込みに違和感を覚えることもある。登りでは推進力がロスする可能性もあるから、好みが分かれるところだ。

主なスペック

  • 素材: アルミニウム合金
  • ロック方式: ツイストロック or カムロック
  • 長さ調節: 可能
  • アンチショック: モデルによる
  • 価格: ¥7,800〜¥10,000程度(税込)

こんな人におすすめ

  • 登山全般に使いたい人
  • 耐久性を重視する人
  • 初心者で迷っている人

注意点

  • アンチショック機能は好みが分かれる
  • アルミ製なのでカーボンより重い

3. 軽さと強度を両立「アルパインカーボンポールシリーズ」

先生
次は「アルパインカーボンポール」だ。これは驚異的な軽さと強度を両立したモデルだ。

アルパインカーボンポールのクローズアップ。カーボンシャフトの質感が見える。

JK
カーボンって、自転車とかに使われてるやつですよね?
先生
その通り。シャフトの芯材に超々ジュラルミン、周囲を軽量なカーボン繊維強化樹脂で包み込んだ多層構造になっている。重量は約192〜210gで、アルミモデルより30%以上軽い。
JK
めっちゃ軽い!でも、折れやすいんじゃないですか?
先生
それが、モンベルはシャフト全体にかかる負荷を検証して、各段ごとに強度を最適化している。検証では、ほとんど変形が見られず、安定感も高いと評価されているんだ。
JK
へー。でも、カーボンって高いんですよね?
先生
ああ、アルミモデルより2,000〜3,000円ほど高い。アルパインカーボンポールは¥10,120、アンチショック付きは¥10,340だ。
JK
うーん、微妙な値段…。その差額払う価値あります?
先生
長時間の山行や縦走をするなら、軽さは正義だ。1本30gの差でも、2本で60g。それを何千回も振り上げることを考えれば、疲労の蓄積が全然違う。ただし、日帰りハイキングがメインなら、アルミで十分だな。
JK
なるほど。じゃあ、カーボンのデメリットは何ですか?
先生
価格が高いこと、そして強い衝撃には弱いことだ。アルミは曲がるが、カーボンは折れる。岩に挟まったポールを無理に引き抜こうとすると、パキッといく可能性がある。

主なスペック

  • 重量: 約192〜210g(ポイントプロテクター・バスケット込み)
  • 素材: カーボン繊維強化樹脂+超々ジュラルミン
  • ロック方式: ツイストロック
  • 長さ調節: 105〜130cm
  • 収納時: 63cm
  • 価格: ¥10,120〜¥10,340(税込)

こんな人におすすめ

  • 長時間の縦走をする人
  • 軽量化を追求したい人
  • 予算に余裕がある人

注意点

  • 価格が高い
  • 強い衝撃で折れる可能性がある
  • 取り扱いに注意が必要

4. 剛性と携帯性の両立「アルパイン フォールディングポール」

先生
次は「アルパイン フォールディングポール」だ。これは折りたたみ式でありながら、剛性も確保したモデルだ。
JK
さっきのU.L.フォールディングと何が違うんですか?
先生
U.L.は軽量性を最優先したが、こちらは剛性も重視している。アルミニウム合金とカーボン繊維強化樹脂を組み合わせたハイブリッドシャフトで、軽量性と耐久性のバランスが取れているんだ。
JK
へー。でも、その分重いんですよね?
先生
ああ、U.L.より少し重い。だが、細かなサイズ調節も可能だし、ラチェットロックシステムで素早い組み立てができる。U.L.は固定長だったが、こちらは長さを変えられるのが大きな違いだ。
JK
じゃあ、こっちの方が便利じゃないですか?
先生
用途による。日帰りハイキングで軽さ重視ならU.L.、テント泊や長期縦走で剛性も欲しいならこちらだ。価格は¥12,100〜¥12,500と、U.L.より4,000円ほど高い。

主なスペック

  • 素材: アルミニウム合金+カーボン繊維強化樹脂(ハイブリッド)
  • ロック方式: ラチェットロック
  • 長さ調節: 可能
  • 価格: ¥12,100〜¥12,500(税込)

こんな人におすすめ

  • テント泊や長期縦走をする人
  • 剛性と携帯性の両方が欲しい人
  • 長さ調節機能が必要な人

5. 登りも下りも快適「2-Wayグリップシリーズ」

先生
次は「2-Wayグリップ」シリーズだ。これはI型とT型の両方のグリップを備えたハイブリッドモデルだ。

2-Wayグリップポールを使い分ける様子。登りはI型、下りはT型で握る。

JK
T型って何ですか?
先生
杖のように、上から手を乗せて握るタイプだ。体重をかけやすく、下り坂での安定感がある。膝への負担軽減にも効果的だ。
JK
へー。じゃあ、登りはI型、下りはT型で使い分けるってことですか?
先生
その通り。登りでは推進力を得やすいI型、下りでは安定性を高めるT型と、状況に応じて最適なグリップを選択できる。これが2-Wayグリップの最大の強みだ。
JK
めっちゃ便利じゃないですか!でも、デメリットは?
先生
T型グリップの形状が、木の枝などに引っかかりやすいという声がある。あと、ザックからの取り外しがしにくいと感じるユーザーもいるな。
JK
うーん、それは微妙ですね…。
先生
ただ、上段には超々ジュラルミン、中段・下段にはハイブリッドシャフトを使用していて、軽量でありながら十分な強度を確保している。アンチショックシステムも搭載されているから、多機能なモデルだ。

主なスペック

  • 重量: 約243g(ポイントプロテクター・バスケット込み)
  • 素材: 超々ジュラルミン+ハイブリッドシャフト
  • グリップ: I型+T型のハイブリッド
  • アンチショック: 搭載
  • 価格: ¥12,600(税込)

こんな人におすすめ

  • 登りも下りも快適に歩きたい人
  • グリップを使い分けたい人
  • 多機能なポールが欲しい人

注意点

  • T型グリップが枝に引っかかりやすい
  • ザックからの取り外しがしにくい場合がある

6. ハイキング向け「Tグリップシリーズ」

先生
次は「Tグリップ」シリーズだ。これはアップダウンの少ないハイキングやトレッキング向けのT型グリップポールだ。
JK
さっきの2-Wayと何が違うんですか?
先生
2-WayはI型とT型の両方が使えるが、こちらはT型のみだ。1本使いが主で、杖のように体重をかけて使う。初心者にも扱いやすいのが特徴だ。
JK
1本だけでいいんですか?
先生
緩やかなハイキングコースなら1本でも十分だ。ただし、バランスの安定性を考えると、2本使いの方が安全だな。

主なスペック

  • 素材: アルミニウム合金
  • グリップ: T型
  • モデル: カムロック、アンチショック、フォールディングポールなど
  • 価格: ¥7,800〜¥9,300(税込)

こんな人におすすめ

  • アップダウンの少ないハイキング
  • 1本使いで手軽に使いたい人
  • 初心者

7. 写真好きなら「トレッキングフォトポール」

先生
最後は「トレッキングフォトポール」だ。これはグリップ上部のキャップを外すと、カメラの一脚として使えるユニークなモデルだ。

トレッキングフォトポールにカメラを取り付けて撮影する様子。

JK
え、一脚になるんですか!? それ便利じゃないですか!
先生
カムロックシステムで高さ調節も容易だから、撮影時に重宝する。ただし、あくまでトレッキングポールとしての機能がメインで、一脚としての安定性は専用品には劣る。
JK
まあ、そうですよね…。でも、荷物減らせるのはいいですね。

主なスペック

  • グリップ: I型
  • ロック方式: カムロック
  • 一脚機能: あり
  • 価格: ¥9,240(税込)

こんな人におすすめ

  • 登山で写真を撮る人
  • 荷物を減らしたい人

比較表:モンベルトレッキングポール全シリーズ

シリーズ名 重量(1本) 素材 長さ調節 価格帯 おすすめユーザー
U.L.フォールディング 145〜165g アルミ 不可 ¥7,800〜¥8,100 日帰りハイキング、軽量化重視
アルパインポール 約250g アルミ ¥7,800〜¥10,000 登山全般、初心者
アルパインカーボン 192〜210g カーボン ¥10,120〜¥10,340 長時間縦走、軽量化重視
アルパイン フォールディング 約280g ハイブリッド ¥12,100〜¥12,500 テント泊、剛性と携帯性重視
2-Wayグリップ 約243g ハイブリッド ¥12,600 登りも下りも快適に歩きたい人
Tグリップ 約250g アルミ ¥7,800〜¥9,300 ハイキング、1本使い
トレッキングフォトポール 約250g アルミ ¥9,240 写真撮影も楽しみたい人

他ブランドとの比較:モンベル vs LEKI vs Black Diamond

JK
先生、モンベル以外のブランドとはどう違うんですか?
先生
いい質問だ。主要ブランドとしては、ドイツの「LEKI」とアメリカの「Black Diamond」がある。それぞれ特徴が違うんだ。

モンベルの強み

先生
モンベルは、軽量性とコンパクトさ、そしてコストパフォーマンスに優れている。特にU.L.フォールディングポールは、折りたたむと37cmになるモデルもあり、持ち運びやすさは随一だ。
JK
日本のブランドだから、日本人の体格に合ってるってこともあるんですか?
先生
その通り。グリップのサイズやポールの長さ設定が、日本人に最適化されている。特にSモデルは、女性など手の小さな人に合わせて設計されているんだ。

LEKIの強み

先生
LEKIはドイツのポール専門メーカーで、特に衝撃吸収性に優れた「アンチショックシステム」が特徴だ。ポールを突いた際の衝撃を手首から遠い位置で吸収することで、手首や関節への負担を軽減する。
JK
モンベルのアンチショックとは違うんですか?
先生
仕組みは似ているが、LEKIの方がより洗練されていると言われている。ただし、その分価格も高い。モンベルのアンチショックモデルが¥10,000前後なのに対し、LEKIは¥15,000〜¥20,000程度だ。

Black Diamondの強み

先生
Black Diamondは、クライミングギアをルーツとするアメリカのブランドで、優れた機能性と手頃な価格が人気だ。独自の「フリックロック」という堅牢なレバーロックシステムを採用していて、高い固定強度と耐久性が特徴だ。
JK
へー。じゃあ、どれを選べばいいんですか?
先生
用途による。登山初心者や気軽にハイキングを楽しみたいなら、コストパフォーマンスの良いモンベルがおすすめだ。長時間の使用や関節への負担を軽減したいなら、LEKIのアンチショックシステムが優れている。オールシーズン使用したい方や岩場などでの耐久性を求めるなら、Black Diamondのアルパインシリーズだな。

トレッキングポールの選び方:初心者向けガイド

JK
先生、結局どれを選べばいいんですか?種類多すぎて決められません…。
先生
では、選び方のポイントを整理しよう。

ポイント1: 素材を選ぶ

先生
まず、素材だ。アルミとカーボンの2種類がある。
- 耐久性が高く、比較的安価 - 曲がっても修復が可能な場合がある - やや重い(1本250g前後) - 初心者におすすめ
- 軽量で強度が高い(1本200g前後) - 衝撃吸収性に優れる - 価格は高め - 強い衝撃で折れる可能性がある
JK
じゃあ、最初はアルミでいいってことですか?
先生
ああ。日帰りハイキングがメインなら、アルミで十分だ。長時間の縦走やテント泊を考えているなら、カーボンも検討する価値がある。

ポイント2: ロック方式を選ぶ

先生
次に、ロック方式だ。主に3種類ある。
- ねじ込み式で、軽量でシンプル - 故障しにくい - グローブをしていると操作しにくい
- レバー操作で簡単に固定・開放 - グローブをしたままでも操作しやすい - ツイストロックより少し重い
- 非常にコンパクトに収納できる - 長さ調節の自由度が低い(モデルによる)
JK
私、不器用だからレバー式の方がいいかも…。
先生
それなら、カムロック方式のモデルを選ぶといい。グローブをしていても操作しやすいから、冬山でも便利だ。

ポイント3: グリップの形状を選ぶ

先生
次に、グリップの形状だ。I型とT型がある。
I
- 2本使いが基本 - 平地や登り坂での推進力を得やすい - バランスが取りやすい - 初心者におすすめ
T
- 杖のように上から握る - 1本使いが主 - 体重をかけやすい - ハイキング向け
JK
登山するならI型ですか?
先生
ああ。2本使いの方がバランスが安定するし、膝への負担も分散できる。T型は緩やかなハイキングコース向きだ。

ポイント4: アンチショック機能は必要か?

JK
アンチショックって、本当に必要なんですか?
先生
人による。メリットとデメリットを理解した上で選ぶべきだ。
- 手首や肘の負担軽減 - 足や膝の負担軽減 - 長時間の登山でも疲労を感じにくくなる
- 重量が20〜30g増加 - 人によっては沈み込みに違和感 - 複雑な機構で故障リスクが高まる - 登りでは推進力がロスする可能性
JK
うーん、微妙ですね…。
先生
登山初心者や体力に自信のない方、長時間の山行や下りでの使用が多い方には有効だ。逆に、日帰りハイキングがメインで、軽量化を重視するなら、アンチショックなしでもいい。

ポイント5: 長さの調整方法

先生
最後に、長さの調整方法だ。これは重要だぞ。
- トレッキングポールを地面に突いた際に、肘が自然に90度程度に曲がる長さが基本 - 身長の約0.63倍が目安 - 実際に選ぶ際は±5cm程度の調整幅があると安心
- 平地での長さより短く調整 - 目安として、基本の長さから指4本分程度短くする
- 平地での長さより長く調整 - 目安として、基本の長さから指4本分程度長くする
JK
え、登りと下りで長さ変えるんですか?面倒くさくないですか?
先生
最初は面倒に感じるかもしれないが、慣れれば数秒で調整できる。長さを最適化することで、膝への負担が全然違うんだ。特に下山時、ポールが短すぎると前傾姿勢になって膝に負担がかかる。長めに調整することで、体重を効果的に分散できるんだ。

初心者におすすめのモデルはコレ!

JK
先生、結局、初心者には何がおすすめなんですか?
先生
用途別に3つ提案しよう。

日帰りハイキング中心なら「U.L.フォールディングポール」

先生
日帰りハイキングがメインで、軽量化を重視するなら「U.L.フォールディングポール」だ。2本で330gと超軽量で、ザックの中に収納できる。価格も¥7,800〜¥8,100と手頃だ。
JK
でも、長さ調節できないんですよね?
先生
ああ。だが、グリップが長めに設計されているから、握る位置を変えることである程度対応できる。日帰りハイキングなら、これで十分だ。

登山全般に使うなら「アルパインポール アンチショック」

先生
登山全般に使いたいなら、「アルパインポール アンチショック」がおすすめだ。アルミ製で耐久性が高く、アンチショック機能で膝への負担も軽減できる。価格も¥10,000前後と手頃だ。
JK
これが一番無難ってことですか?
先生
ああ。長さ調節もできるし、初心者から中級者まで幅広く使える。迷ったらこれを選べば間違いない。

長期縦走やテント泊なら「アルパインカーボンポール アンチショック」

先生
長期縦走やテント泊を考えているなら、「アルパインカーボンポール アンチショック」だ。軽量でありながら高い強度を持ち、アンチショック機能も搭載している。価格は¥10,340と少し高いが、長時間の山行では軽さが正義だ。
JK
カーボンって折れやすいんですよね?大丈夫なんですか?
先生
モンベルはシャフト全体にかかる負荷を検証して、各段ごとに強度を最適化している。通常の使用なら問題ない。ただし、岩に挟まったポールを無理に引き抜こうとすると、折れる可能性があるから注意が必要だ。

トレッキングポールの使い方:基本編

JK
先生、買ったはいいけど、どうやって使えばいいんですか?
先生
基本的な使い方を教えよう。

グリップの持ち方

先生
まず、グリップの持ち方だ。I型グリップの場合、ストラップに下から手を通し、ストラップとグリップを軽く握る。
JK
え、ストラップって飾りじゃないんですか?
先生
違う。ストラップに手を通すことで、手首に荷重が分散され、強く握り込む必要がなくなるんだ。これにより、長時間使っても手が疲れにくい。

ポールを突く位置

先生
次に、ポールを突く位置だ。ポールは地面に対し垂直になるように意識して突く。遠くにつきすぎると腕に負担がかかり、疲労の原因になる。
JK
垂直って、結構難しくないですか?
先生
最初は意識する必要があるが、慣れれば自然にできるようになる。ジョギングのように腕を軽く振り、リズミカルにポールを動かすといい。

登りと下りでの使い方

先生
登りでは、腕の力を使って体を押し上げ、推進力を得る。足上げが楽になり、体力を温存できるんだ。
JK
へー。じゃあ、下りは?
先生
下りでは、足を出す前にポールを先に出すのが重要だ。膝や足にかかる衝撃を腕に分散させ、負担を軽減する。これをやるかやらないかで、下山後の膝の痛みが全然違う。
JK
なるほど!ポールを先に出すんですね。

注意点

先生
最後に、注意点だ。狭い道や鎖場など両手を使う場所では、他の登山者との接触や転倒を防ぐため、トレッキングポールをザックに収納すること。
JK
え、その都度しまうんですか?面倒くさい…。
先生
安全のためだ。ポールを持ったまま鎖場を登ると、バランスを崩して転倒する危険がある。面倒でも、必ずザックに収納するように。

メンテナンスと手入れ:長く使うために

JK
先生、トレッキングポールって、手入れ必要なんですか?
先生
ああ、必要だ。適切なメンテナンスをすることで、長く使えるんだ。

使用後の基本的な手入れ

先生
使用後のトレッキングポールは、シャフトを緩めて分解し、泥などの汚れをきれいに拭き取り、完全に乾燥させることが重要だ。
JK
え、毎回分解するんですか?
先生
特にシャフト内部やストッパー部分に水分が残ると腐食の原因となる。風通しの良い場所でしっかり乾燥させることが大切だ。
JK
面倒くさいですね…。
先生
手入れを怠ると、ロック機構が固着したり、シャフトが錆びたりする。そうなると、山で突然使えなくなる危険がある。安全のためにも、必ず手入れをするように。

清掃方法

先生
中性洗剤を薄めた水とウエス(布)、細かい部分にはナイロンブラシ(歯ブラシでも可)を使って清掃する。金属部分の汚れにはパーツクリーナー、サビがある場合は錆落とし用研磨剤が役立つ。
JK
潤滑油とかは使わないんですか?
先生
潤滑油は固定力を損なう可能性があるため、使用しない。モンベルの公式サイトでも、潤滑油の使用は推奨されていないんだ。

交換可能なパーツ

先生
消耗品である以下のパーツは、モンベルで購入して自分で交換できる。
- ストッパーがすり減ったり汚れたりして固定力が低下した際に交換が必要 - モンベルのオンラインショップで購入可能
- 石突きにかぶせるラバー製のキャップ - すり減った場合は交換
- 泥や岩の割れ目にポールが挟まるのを防ぐ - ねじ込み式で取り付けやすい
JK
自分で交換できるんですか?
先生
ああ。モンベルの公式YouTubeチャンネルに、交換方法の動画がアップされている。それを見ながらやれば、初心者でも簡単に交換できるぞ。

修理サービス

先生
もし故障した場合は、モンベルの修理サービスを利用できる。ウェブフォームから申し込むか、モンベルストアに持ち込めば修理してくれる。
JK
修理費用ってどれくらいですか?
先生
ポールの修理は1本あたり637円から2,728円(税抜)が目安だ。製造上の欠陥による不具合は無償修理または交換の対象になる。

まとめ:自分に合ったトレッキングポールを選ぼう

JK
先生、いろいろ教えてもらって、だいぶわかってきました!
先生
それは良かった。最後に、選び方のポイントをまとめよう。

用途別おすすめモデル

- U.L.フォールディングポール(¥7,800〜¥8,100) - 軽量でコンパクト、価格も手頃
- アルパインポール アンチショック(¥10,000前後) - 耐久性が高く、初心者から中級者まで幅広く使える
- アルパインカーボンポール アンチショック(¥10,340) - 軽量でありながら高い強度、長時間の山行に最適
- 2-Wayグリップカーボンポール アンチショック(¥12,600) - I型とT型を使い分けられる多機能モデル

最後に:お店で試してから買おう

先生
最後に、必ずお店で実際に握ってみることをおすすめする。グリップの握りやすさ、重量感、ロック機構の操作感は、実際に触ってみないとわからない。
JK
ネットで買っちゃダメなんですか?
先生
ネットの方が安い場合もあるが、自分に合わないポールを買ってしまうリスクがある。特に初めてのトレッキングポールなら、お店で店員さんに相談しながら選ぶのが確実だ。
JK
わかりました!早速お店に行ってみます!
先生
ああ。自分に合ったトレッキングポールを見つけて、安全で快適な登山を楽しんでくれ。
JK
ありがとうございました、先生!

この記事で紹介した情報は、モンベル公式サイトおよび各種レビューサイトの情報を基にしています。最新のモデルや正確な価格については、モンベル公式サイトや正規取扱店で確認することをおすすめします。