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導入

JK
先生!私、決めました。リュックはやっぱりノースフェイス (The North Face) にします!
先生
ほう、即決だな。理由は?
JK
だって、街でみんな持ってるし、ロゴがかっこいいし、なんか「間違いない」感じがするじゃないですか!
先生
ふむ、その直感はあながち間違っていない。ノースフェイスは確かに「街と山を繋ぐ」最強のブランドだ。だが、種類が多い。「どれが山用でどれが街用か」分かっているか?
JK
えっ…全部一緒じゃないんですか?
先生
全然違う。選び方を間違えると、山で肩が痛くなるか、街で浮くかのどっちかだ。今日はその「境界線」をしっかり教えよう。

概要: ノースフェイスの圧倒的ブランド力

1966年にサンフランシスコで創業されたザ・ノース・フェイス(The North Face)は、半世紀以上にわたってアウトドア界をリードしてきた巨人ブランドだ。そして今、10代から60代まで幅広い年齢層に支持される、都会的デザインと機能性を兼ね備えた唯一無二のブランドとして君臨している。

なぜノースフェイスが選ばれるのか?

JK
でも先生、グレゴリーとかオスプレーもいいって聞きますよ?
先生
いい質問だ。確かにグレゴリーは「バックパック界のロールスロイス」と呼ばれ、オスプレーは高機能で優美なデザインが魅力だ。ただ、ノースフェイスには他にない3つの強みがある。
  1. 圧倒的なラインナップの広さ: 街使いから本格登山まで、あらゆるニーズに対応できる
  2. ファッション性と機能性の両立: 「山道具っぽさ」を抑えた洗練されたデザイン
  3. ブランド力: ウェアやシューズとトータルコーディネートが可能
JK
なるほど。「山もおしゃれも両方諦めたくない」って人にはピッタリですね。
先生
そういうことだ。では、実際にどう選ぶべきか見ていこう。

[登山デビューの決定版]なら「テルス (Tellus)」

Image Prompt: ノースフェイス「テルス」を背負い、新緑のハイキングコースを歩くカップル。爽やかで楽しげな様子。

先生
まず山に行くならこれだ。テルスシリーズ。2010年に登場して以来、15年にわたって「日本の山に最適化されたバックパック」として進化し続けてきたロングセラーだ。
JK
あ、これ見たことある!シンプルでシュッとしてますね。
先生
日本の山岳環境と日本人の体型に合わせて設計されているんだ。「80点の優等生」という表現がぴったりで、突出した機能はないが、全てがバランス良く揃っている。これが初心者には何よりもありがたい。

テルスシリーズの詳細スペック

テルス 25 (Tellus 25)

  • 容量: 26L
  • 重量: 約1,100g(2022年モデルで約100g軽量化)
  • 背面長: S/M、M/L(調整可能)
  • 価格: 18,000円〜20,000円前後
  • 特徴:
    • パネルローディング方式(メインジッパーで大きく開く)
    • 取り外し可能なウエストハーネスで街使いもOK
    • 日帰り登山〜軽めの小屋泊に最適
    • リサイクル素材採用で環境配慮も

テルス 35 (Tellus 35)

  • 容量: WM:34L、M:36L、L:38L
  • 重量: 約1,300g〜1,400g
  • 価格: 20,000円〜22,000円前後
  • 特徴:
    • 小屋泊1〜2泊に最適
    • 軽量テント泊も荷物を選べば可能
    • J字型サイドジッパーで荷物の出し入れが容易
    • レインカバー内蔵(全テルスシリーズ共通)

テルス 45 (Tellus 45)

  • 容量: 45L〜
  • 用途: テント泊縦走、2〜3泊の山行
  • 価格: 24,000円〜26,000円前後

機能とメリット

先生
テルスの最大の強みは、背面システムの完成度の高さだ。
  • EVAフォーム+メッシュ背面パネル: 適度なクッション性と通気性のバランス
  • 軽量ワイヤーフレーム: 背中のカーブにフィットして荷重を分散
  • 肩と腰への荷重分散設計: 鎖骨への圧迫を軽減し、骨盤周りをしっかりホールド
  • 大容量のフロントポケット: レインウェアやグローブをサッと取り出せる
  • 豊富な収納ポケット: 雨蓋ポケット、サイドメッシュポケット、ヒップベルトポケット
JK
でも、人気すぎて山でかぶりませんか?
先生
かぶる。めちゃくちゃかぶる。
JK
2回言った!
先生
でも、それだけ「みんなが納得する性能」だという証拠でもある。

リアリティとデメリット

JK
欠点なさそうですけど?
先生
「普通すぎる」ことかな。
  • 軽量性を極めたい玄人には、もっと軽いフレームレスモデルが他にある
  • 背面メッシュの涼しさを求めるなら、ウラノスやオスプレーの方が上
  • 個性的なデザインを求める人には物足りないかも
先生
だが、「失敗しない選択」という点では、これ以上のモデルはない。登山を始める全ての人に自信を持っておすすめできる一品だ。

[大容量テント泊]なら「テラ (Terra)」

Image Prompt: ノースフェイス「テラ65」を背負い、テント場で設営準備をする登山者。重装備でも安定した姿勢。

JK
もっと大きいのが欲しいんですけど、テント泊とかしたいんですよね。
先生
それならテラ (Terra) シリーズだ。55Lと65Lの大容量モデルで、重荷をしっかり背負うための本格設計が施されている。

テラシリーズの詳細スペック

テラ 55 / テラ 65

  • 容量: 55L / 65L
  • 重量:
    • テラ65: S/M: 2,296g、L/XL: 2,353g
  • 背面長: S/M: 38-46cm、L/XL: 43-53cm(調整可能)
  • 価格: 28,000円〜35,000円前後

機能とメリット

  • 軽量アルミフレーム: 重い荷物でも型崩れせず、荷重を効率的に伝達
  • 高耐久素材: 1000デニール級のリサイクルポリエステルで岩場にも強い
  • J字型フロントジッパー: パッキングした荷物の下の方にも楽々アクセス
  • ハイドレーション対応: 行動中に水分補給しやすい
  • 2気室構造: 荷物を上下で分けて整理可能(ジッパーで1気室にも変更可)
  • 高通気性背面パネル: 長時間の背負いでも蒸れにくい
JK
これなら3泊4日の縦走も行けますね!
先生
その通り。ただし、日帰り登山には完全にオーバースペックだ。テラは「週末に軽く山へ」ではなく、「本気で山に挑む」ためのザックだと覚えておけ。

[快適性・涼しさ重視]なら「ウラノス (Ouranos)」

Image Prompt: ノースフェイス「ウラノス」の背面メッシュ構造。風が通り抜けるようなエフェクトと、涼しげな山の風景。

先生
もし山で「涼しさ」を求めるなら、ウラノス (Ouranos) だ。
JK
ウラノス?大天使かな?
先生
それを言うならギリシャ神話の天空神だな(笑)。このザックの最大の特徴は、トランポリン型背面パネルだ。オスプレーやグレゴリーにもあるタイプだが、ノースフェイスのデザインでこれが欲しいならウラノス一択。

ウラノスシリーズの詳細スペック

ウラノス 35

  • 容量: 35L前後
  • 特徴:
    • 背中とザック本体の間に空間がある構造
    • 背面がメッシュパネルで張られ、通気性が圧倒的に高い
    • 3シーズン(春夏秋)の登山に最適

機能とメリット

  • 圧倒的な通気性: 背中とザックの間に常に風が通る設計
  • 荷重の揺れを抑制: トランポリン構造が体の動きに追従
  • 背面長調整システム: 自分の体に合わせて微調整可能
  • 汗かき・夏山登山に最適: 滝のような背中の汗から解放される

リアリティとデメリット

JK
テルスとどっちがいいんですか?
先生
一長一短だ。
項目 テルス ウラノス
荷物の詰めやすさ ◎ シンプルで詰めやすい △ 湾曲しているのでコツが必要
涼しさ △ 普通 ◎ 圧倒的に涼しい
背負い心地 ○ 安定している ◎ 身体に追従する
重量 ○ 軽め △ やや重い(フレーム構造のため)
先生
「詰め込みやすさのテルス」か「涼しさのウラノス」か、好みで選べばいい。個人的には、汗かきの人には絶対ウラノスを推す。

[軽量化にこだわる]なら「ノーム (Norm)」

Image Prompt: ノースフェイス「ノーム」を背負い、身軽に稜線を歩くトレイルランナー風の登山者。

JK
先生、もっと軽いのってないんですか?
先生
あるぞ。ノーム (Norm) シリーズだ。「軽量フレームレス」を追求したミニマリスト向けモデルだ。

ノームシリーズの詳細スペック

ノーム 28

  • 容量: 28L
  • 重量: 約900g前後(推定)
  • 特徴:
    • フレームレス構造で軽量化を実現
    • 取り外し可能な背面パッドでさらに軽量化可能
    • 取り外し可能なヒップベルトで用途に応じたカスタマイズ
    • 軽量テント泊にも対応可能

機能とメリット

  • 圧倒的な軽さ: フレームがない分、同容量のテルスより軽い
  • 高いフィット感: 背中に密着して身体と一体化する感覚
  • 自立する形状: 荷物を入れると形が整う
  • ショルダー部分にスマホ収納: 行動中のアクセスが便利

デメリット

先生
ただし、「軽さ」にはトレードオフがある
  • 重い荷物(15kg以上)を入れると肩と腰に負担がくる
  • フレームがないので、パッキング技術が必要
  • 初心者にはやや扱いが難しい
JK
つまり、ある程度登山に慣れてから選ぶべきモデルってことですね。
先生
その通り。だが、日帰り〜軽量テント泊をメインにする人には最高の相棒になる。

[街使い最強]なら「BCヒューズボックス (BC Fuse Box)」

Image Prompt: ノースフェイス「BCヒューズボックス」を背負い、自転車に乗って街を駆け抜ける学生。アクティブで都会的なイメージ。

JK
先生!私が欲しかったのこれです!この四角いやつ!
先生
出たな、BCヒューズボックス。これはもはや「現代のランドセル」だ。街中で見ない日はない、圧倒的人気モデルだ。

BCヒューズボックスの詳細スペック

BCヒューズボックス II (BC Fuse Box II)

  • 容量: 30L
  • 重量: 約1,100g
  • 価格: 20,900円(税込)
  • 素材: 1000デニールリサイクルポリエステル + TPEファブリックラミネート

機能とメリット

  • 超耐久性: TPEラミネート加工で水や汚れに異常に強い
  • ボックス型収納: 書類、PC(15インチまで対応)、教科書が角折れせずに入る
  • 自立する: 床に置いても倒れない(これが地味に便利)
  • 取り外し可能インナーオーガナイザー: 小物整理が簡単
  • YKKファスナー: 何万回もの耐久テストをクリアした高品質ファスナー
  • 豊富なカラバリ: 毎シーズン新色が登場

リアリティとデメリット

JK
これで山に行っちゃダメなんですか?丈夫なんでしょ?
先生
絶対ダメだ
JK
えー!なんでですか!?
先生
理由は3つある。
  1. 背負い心地が「板」: ウエストベルトが簡易的で、荷重分散機能がほぼない
  2. 長時間歩くと肩が死ぬ: 2〜3時間歩くだけで肩が悲鳴をあげる
  3. 背中が蒸れる: 背面が密着するので、夏場は滝のような汗
先生
さらに言えば、防水ではない。耐水性はあるが、止水ファスナーではないので、大雨の中では浸水する可能性がある。これはあくまで「街のギア」だ。
JK
わかりました…。街では最強、山では最弱ってことですね。
先生
そういうことだ。

[本気のアルパイン]なら「サミットシリーズ (Summit Series)」

Image Prompt: ノースフェイス「サミットシリーズ」のバックパックを背負い、雪山の急斜面を登るクライマー。プロフェッショナルな雰囲気。

JK
サミットシリーズって何ですか?めちゃくちゃかっこいい名前ですけど。
先生
ノースフェイスの最高峰ラインだ。2000年に誕生し、2025年で25周年を迎えた、プロフェッショナル向けの技術を凝縮したシリーズだ。

サミットシリーズの特徴

  • 「EXPEDITION PROVEN(遠征実証済み)」のコンセプト: 極限環境でのテストをクリアした製品のみがこの名を冠する
  • -40°C以下の極寒環境でもパフォーマンスを発揮
  • 15m/s以上の強風に耐える耐久性
  • 100日以上の連続使用に耐える設計
  • 軽量かつ高強度: 3000m級の山岳にも対応
  • 高い防水性と耐摩耗性: Advanced Mountain Kit™などの革新的技術
JK
すごすぎません…?
先生
ただし、価格も最高峰だ。バックパックだけで5〜10万円を超えるモデルもある。そして、日帰り登山には完全にオーバースペックだ。
JK
誰が使うんですか?
先生
冬季アルパインクライミング、海外遠征、極地登山をする人たちだ。「週末ハイキング」には全く必要ない。でも、「いつかあの山へ」という夢を持つ人にとっては、憧れの存在でもある。

ノースフェイス選びの実践ガイド

JK
先生、結局私はどれを選べばいいんですか?
先生
用途によって決めろ。これが全てだ。

用途別おすすめチャート

用途 おすすめモデル 容量 価格帯
日帰り登山 テルス 25 26L 18,000円〜
小屋泊1〜2泊 テルス 35 34-38L 20,000円〜
テント泊・縦走 テルス 45 / テラ 55・65 45-65L 24,000円〜
夏山・汗かき ウラノス 35 35L 22,000円〜
軽量化志向 ノーム 28 28L 20,000円〜
通勤・通学 BCヒューズボックス II 30L 20,900円
本格アルパイン サミットシリーズ 用途による 50,000円〜

容量の選び方の基本

先生
容量選びには黄金律がある。
  • 20〜30L: 日帰り登山、軽めのハイキング
  • 30〜40L: 小屋泊1〜2泊、軽量テント泊
  • 40〜55L: テント泊2〜3泊、重装備の縦走
  • 55L以上: 長期縦走、冬山登山、海外遠征
JK
私は日帰りメインだから、テルス25で良さそうですね。
先生
ただし、「将来的に小屋泊もしたい」なら35Lを選んでおけ。25Lだと小屋泊には少し心もとない。

ノースフェイス vs 他ブランド徹底比較

JK
でも、他のブランドと比べてノースフェイスって実際どうなんですか?
先生
いい質問だ。主要3ブランドと比較してみよう。

主要ブランド比較表

ブランド 特徴 得意分野 価格帯 人気年齢層
ノースフェイス 都会的デザイン、幅広いラインナップ オールラウンド 中〜高 10代〜60代
グレゴリー シンプルデザイン、最高のフィット感 長距離トレッキング 中〜高 20代後半〜40代
オスプレー 高機能、優美なデザイン、コスパ◎ バックパッキング 30代〜50代
JK
つまり、ノースフェイスは「街でも浮かない」のが最大の強みってことですか?
先生
そうだ。グレゴリーやオスプレーは「ザ・登山道具」感が強い。ノースフェイスは「山から下りてきてそのままカフェに入れる」デザインなんだ。これは大きな違いだ。

まとめ・最終アドバイス

JK
なるほど〜。ヒューズボックスで山に行こうとしてた…。危なかったですね…。
先生
まったくだ。用途に合った道具を使うのが、スマートなアウトドアマンへの第一歩だ。

ノースフェイス選びの3箇条

  1. 「街用」と「山用」を絶対に混同するな
  2. 容量は「今やりたいこと」より「半年後やりたいこと」で選べ
  3. 迷ったらテルス。これが真理だ。
JK
私、テルス25買います!
先生
いい選択だ。ちなみに、ノースフェイスはウェアも優秀だ。リュックと合わせてトータルコーディネートできるのも、このブランドならではの楽しみだな。
JK
はい!全身ノースフェイスで揃えて、形から入る「山ガール」目指します!
先生
(形から入るのも悪くないが、中身もな…)まあいい、山で会おう。

補足: ノースフェイスのコスパを最大化する裏技

先生
最後に、賢い買い方を教えておこう。

購入タイミングの狙い目

  • 新モデル発表直後(春・秋): 旧モデルが20〜30%オフになることが多い
  • アウトレット店: 型落ちモデルが定価の40〜50%で買えることも
  • セール時期: 年末年始、夏のクリアランスセール
JK
機能的には旧モデルでも問題ないんですか?
先生
全く問題ない。テルスやテラは基本設計が完成されているので、マイナーチェンジ程度だ。むしろ旧モデルの方がカラバリが豊富で掘り出し物が見つかる。

長持ちさせるメンテナンス術

  • 使用後は必ず陰干し: カビと悪臭の原因を防ぐ
  • YKKファスナーは定期的に掃除: 砂や泥を放置するとスライダーが壊れる
  • 洗濯は年1〜2回: 中性洗剤で手洗い、絶対に乾燥機は使わない
先生
ノースフェイスは耐久性が高い。正しくメンテすれば10年以上使える。これが本当のコスパだ。

免責事項

※本記事の情報は2025年1月執筆時点のものです。最新の製品仕様や価格については、メーカーの公式サイト等でご確認ください。また、登山用具の使用感には個人差があります。


参考ソース