カリマーのリッジ30はなぜ「日本人の背中」に合うのか?ガイドが解説
Tags: バックパック
Image Prompt: カリマー (Karrimor) の「リッジ30」を背負い、霧の中の幻想的なイギリスの荒野(ヒース)を歩くイメージ。伝統と革新を感じさせる雰囲気。
導入






概要: 英国の伝統と日本の技術の融合
ブランドの系譜



主要シリーズ
- リッジ (ridge): 日本のトレッキングザックの代名詞。30L、40L展開。
- クーガー (cougar): テント泊向けの大型モデル。背負ったまま調整可能なSAシステム搭載。
- SLシリーズ: 軽量化を意識したモデル。
[日本のスタンダード]なら「リッジ (ridge)」
Image Prompt: カリマー「リッジ30」の背面パッドとショルダーハーネスのクローズアップ。日本人の体型に合わせたカーブが特徴的。
リッジの歴史と進化

| 年代 | モデルチェンジ内容 |
|---|---|
| 1999年 | リッジシリーズ発売開始 |
| 2016年 | フルモデルチェンジ:約200g軽量化、背負い心地と機能性向上 |
| 2019年 | 大リニューアル:サイズ表記をTYPE1/2/3からS/M/Lへ変更 |
| 2022年春夏 | リッジ30プラス登場:ヒップベルトが調整可能に |


詳細スペック(リッジ30+)

サイズ展開と重量
| サイズ | 背面長 | 重量 | 対象ユーザー |
|---|---|---|---|
| Small (旧TYPE1) | 42cm | 約1,470g | 背の低い男性、女性 |
| Medium (旧TYPE2) | 47cm | 約1,470g | 身長160〜170cmの男性、身長の高い女性 |
| Large (旧TYPE3) | 51cm | 約1,570g | 身長の高い男女 |


主要スペック(Medium)
- 外寸: H64 × W28 × D23 cm
- 容量: 約30L(公称)
- 重量: 約1,470g
- 素材: 210D Mini R/S NY、420D High density NY(いずれもNylon 100%)
- 収納: 8種類11箇所 + 外付けギア用ホルダー
- ハイドレーション: 大型ポケット搭載(〜2Lリザーバー対応)


機能とメリット: なぜ「ちょうどいい」のか?

1. 背負い心地の秘密


- 身体への密着性: 重量分散が優秀で、肩だけに負担が集中しない
- 安定性: 岩場を歩いても揺れない。荷物が身体と一体化する感覚
- 疲れにくさ: 分厚いショルダーパッドで肩が痛くなりにくい


2. 8種類11箇所の収納

- 雨蓋: 位置調整可能。小物の出し入れが頻繁でも楽
- フロントポケット: 絶妙な大きさ。レインウェアが「ちょうど」入る
- サイドポケット: 500mlボトルが取り出しやすい角度
- ポールホルダー: 取り付けやすく、外れにくい


3. 質実剛健な耐久性



- 破れにくい: 枝に引っ掛けても簡単には破れない
- へたれにくい: 長年使ってもショルダーパッドがつぶれない
- 長寿命: 10年以上使い続けるユーザーも珍しくない

リアリティとデメリット: 正直な話


デメリット1: 重い

| ブランド | モデル | 重量(30L帯) |
|---|---|---|
| カリマー | リッジ30+ | 約1,470g |
| オスプレー | ケストレル38 | 約1,180g |
| グレゴリー | スタウト35 | 約1,360g |
| ノースフェイス | テルス30 | 約1,110g |


デメリット2: 人とかぶる



デメリット3: 荷物が少ないと持て余す



実際のユーザー評価

高評価の声
「背負いやすく、疲れづらい。岩場でも揺れない安定性が素晴らしい」(山と溪谷オンライン)
「真の相棒と思える。価格約20,000円で、この耐久性と機能性はコスパ最高」(山と自転車)
「初心者でも荷物整理しやすい。8種11箇所の収納が本当に便利」(YAMA HACK)
批判的な声
「重さは決して"超軽量"ではない。オスプレーより20%以上重い」(山あり谷あり Outside All Day)
「荷物が少ない人は日帰りでは持て余す」(くまトリップ)

[テント泊の王道]なら「クーガー (cougar)」
Image Prompt: カリマー「クーガー」を背負い、重装備で急登を登る登山者。頼もしい後ろ姿。



機能とメリット

- オンザフライ調整: 歩きながら、荷物の重さに合わせて重心を変えられる。朝は荷物が重いから重心を下げ、夕方に軽くなったら上げる、なんてことが可能だ。
- 大容量: 50-75L、75-95Lといった超大型サイズもあり、長期縦走にも対応できる。
リアリティとデメリット


他ブランドとの徹底比較

カリマー リッジ30+ vs グレゴリー スタウト35
| 項目 | カリマー リッジ30+ | グレゴリー スタウト35 |
|---|---|---|
| 容量 | 30L(実質それ以上) | 35L |
| 重量 | 約1,470g | 約1,360g |
| 価格 | 約20,000円 | 約25,000円〜 |
| サイズ調整 | S/M/L固定(買う時に選ぶ) | ベルクロで微調整可能 |
| 収納力 | 極めて高い(詰め込める) | スマートな設計 |
| 耐久性 | 非常に高い(厚手生地) | 高い |
| デザイン性 | 質実剛健 | スマート・洗練 |



カリマー リッジ30+ vs オスプレー ケストレル38
| 項目 | カリマー リッジ30+ | オスプレー ケストレル38 |
|---|---|---|
| 容量 | 30L | 38L |
| 重量 | 約1,470g | 約1,180g |
| 軽量性 | ✕(重い) | ◎(軽い) |
| 耐久性 | ◎(極めて高い) | ○(高い) |
| フィット感 | ◎(日本人向け) | ◎(調整機構充実) |
| 収納整理 | ○(シンプル) | ◎(多彩) |



カリマー リッジ30+ vs ノースフェイス テルス30
| 項目 | カリマー リッジ30+ | ノースフェイス テルス30 |
|---|---|---|
| 容量 | 30L | 30L |
| 重量 | 約1,470g | 約1,110g |
| ブランド力 | 知る人ぞ知る定番 | 圧倒的知名度 |
| 背面システム | 3Dバックパネル | オプティフィット |
| 価格 | 約20,000円 | 約18,000円〜 |

定番トリオ:どれを選ぶべきか?

選択の基準:
- 軽さ重視 → ノースフェイス テルス
- 機能性重視 → オスプレー ケストレル
- 耐久性重視 → カリマー リッジ


サイズ選びの極意

サイズ選びの3ステップ
ステップ1: 背面長を測る



ステップ2: サイズ表と照合
| 背面長 | おすすめサイズ | 対象ユーザー |
|---|---|---|
| 〜43cm | Small | 女性、小柄な男性 |
| 43〜49cm | Medium | 身長160〜170cmの男性、高身長の女性 |
| 49cm〜 | Large | 高身長の男女 |

ステップ3: 実際に背負って確認

- ショルダーハーネス: 肩の曲線にフィットしているか
- ヒップベルト: 腰骨の上に乗っているか(お腹に乗ると×)
- 背面パッド: 背中に隙間がないか
- 荷重: 重りを入れて歩いてみる(店によっては重り貸し出しあり)


リッジ30+が最適なユーザー、不向きなユーザー

最適なユーザー
1. 登山初心者
理由:
- 多彩な収納で荷物整理が楽
- 頑丈で雑に扱っても壊れない
- 長く使える「最初で最後の一つ」になりうる

2. 「軽さ」より「疲れにくさ」重視派
理由:
- 数値上の重量より、実際の背負い心地を優先
- 分厚いパッドで肩・腰への負担軽減
- 安定した荷重分散


3. 多用途に使いたい人
理由:
- 登山だけでなく旅行にも使える汎用性
- シンプルなデザインで街でも浮かない
- 一つのザックで幅広いシーンに対応

4. 日本人体型の人
理由:
- 欧米ブランドのサイズが合いにくい
- 平らな背中にフィットする設計
- 3サイズ展開で細かく選べる
不向きなユーザー
1. UL(ウルトラライト)志向の人

2. 最先端の機能を求める人

3. 超軽量装備で日帰りのみの人

まとめ・比較表


カリマー主要モデル比較表
| シリーズ名 | 容量 | 特徴 | おすすめユーザー | 重量目安 | 価格 |
|---|---|---|---|---|---|
| リッジ30+ | 30L | 日本の登山のスタンダード、S/M/L 3サイズ | 初心者、日帰り〜小屋泊 | 約1,470g | 約20,000円 |
| リッジ40+ | 40L | リッジ30の大容量版 | 小屋泊、軽量テント泊 | 約1,550g | 約22,000円 |
| クーガー | 50-95L | 背負ったまま調整可能(SAシステム) | テント泊、長期縦走 | 2,500g〜 | 約30,000円〜 |
| SLシリーズ | 各種 | 軽量モデル | 軽さ重視の経験者 | 軽い | - |
他ブランドとの比較表(30L帯)
| ブランド | モデル | 容量 | 重量 | 強み | 弱み | 価格 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| カリマー | リッジ30+ | 30L | 1,470g | 耐久性、収納力 | 重い | 約20,000円 |
| グレゴリー | スタウト35 | 35L | 1,360g | フィット調整、デザイン | 高価 | 約25,000円 |
| オスプレー | ケストレル38 | 38L | 1,180g | 軽量性、機能性 | 耐久性やや劣る | 約23,000円 |
| ノースフェイス | テルス30 | 30L | 1,110g | 軽量性、知名度 | 耐久性やや劣る | 約18,000円 |





購入前のチェックリスト

- [ ] 自分の背面長を測った(または店舗で測定予定)
- [ ] S/M/Lのどれが適切か確認した
- [ ] 実際に試着する機会を確保した
- [ ] 重量約1,470gを許容できる
- [ ] 主な用途は日帰り〜小屋泊である
- [ ] 予算は約20,000円で問題ない
- [ ] 「人とかぶる」ことを気にしない
- [ ] 10年使うつもりで買う覚悟がある

免責事項
※本記事の情報は2025年11月時点のものです。最新の製品仕様や価格については、カリマー公式サイト等でご確認ください。また、登山用具の使用感には個人差があります。必ず試着の上、ご自身に合ったサイズをお選びください。
参考資料
本記事は以下のレビュー・情報源を参考に作成しました。