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マムートのダウンジャケットを着た登山者が雪山で休憩している写真。

導入

「マムートのダウンが欲しい!でも、Broad Peakって何?Taiss Proって何が違うの?DRY DOWNって名前はカッコいいけど…結局どれを買えばいいの?」

そんな悩みを抱えている方、多いのではないでしょうか。

マムートのダウンジャケットは、スイスの山岳環境で培われた技術を結集した高機能プロダクト。でも、モデルが多すぎて、正直どれを選べばいいか迷いますよね。

この記事では、登山ガイド歴20年のベテランが、マムートのダウンジャケットの「違い」と「選び方」を、初心者にもわかるように徹底解説します。Broad Peak、Taiss Pro、Eiger Nordwand Light Downなど、主要モデルの特徴を比較しながら、あなたにぴったりの一着を見つけるお手伝いをします。

登場人物紹介

JK
登山初心者。見た目重視で「形から入る」タイプ。素朴な疑問や不満は正直に口にする。
先生
登山歴20年のベテラン。機能重視で道具への愛と知識が深い。優しく、時に厳しく解説する。

なぜマムートのダウンは種類が多いのか?

JK
先生、マムートのダウンジャケット見てたんですけど…Broad Peak、Taiss Pro、Eiger Nordwand、Convey…カタカナばっかりで頭がパンクしそうです。なんでこんなに種類があるんですか?
先生
ははは、その気持ちはよくわかる。でも、種類が多いのには理由があるんだ。
JK
理由ですか?
先生
ダウンジャケットは「どこで」「何をするか」で求められる性能が全く違う。街で着るのか、雪山で着るのか、ハードシェルの下に着るのか、それとも上から羽織るのか。
JK
そういえば、ダウンって「中に着る用」と「外に着る用」があるって聞いたことあります。
先生
その通りだ。マムートは用途別にラインナップを分けている。大きく分けると、こんな感じだな。

マムートのダウンジャケット 主要シリーズ

  • Broad Peak IN: 軽量コンパクト、携行用。ミドルレイヤーからアウターまで汎用的に使える定番モデル
  • Taiss Pro IN: 850FPの高性能ダウン。ビレイジャケットとしても使える本格派
  • Eiger Nordwand Light Down: 900FPの最高峰ライン。ファスト&ライトスタイルに最適
  • Convey 3 in 1: ハードシェルとダウンのセット。街着からアウトドアまで対応
JK
なるほど…でも、フィルパワーとか言われても正直よくわかんないです。
先生
よし、まずはそこから説明しよう。

フィルパワーって何?数字が高いほど暖かいの?

JK
800フィルパワーとか900フィルパワーとか書いてあるんですけど、これって何ですか?数字が高いほど暖かいってこと?
先生
いい質問だ。フィルパワーは、簡単に言うと「ダウンのふくらみ具合」を表す数値だ。1オンス、約28グラムの羽毛がどれだけの体積にふくらむかを測っている。
JK
ふくらみ具合…?
先生
ダウンは空気を閉じ込めることで暖かさを生み出す。よくふくらむダウンほど、たくさんの空気を閉じ込められる。つまり、同じ重さなら、フィルパワーが高いほど暖かいということだ。

参考情報: 「フィルパワーの数値が高いほど、より多くの空気を閉じ込めることができ、保温性が向上します。高フィルパワーのダウンは、同じ暖かさを保ちながら、より軽量でコンパクトに収納できます」

出典https://ja.wikipedia.org/wiki/フィルパワー

JK
じゃあ、900フィルパワーのやつ買えば最強じゃないですか!
先生
理屈ではそうだが、900フィルパワーのダウンは高価だし、そこまでのスペックが必要ない場面も多い。大事なのは「自分の用途に合った」フィルパワーを選ぶことだ。

フィルパワーの目安

フィルパワー 品質レベル 用途
500FP以下 低品質 一般的なカジュアル使用
600〜700FP 良質 街着として十分な暖かさ
700FP以上 高品質 街中や登山でも使用可能
800FP以上 超高品質 雪山などの厳しい環境対応
850〜900FP 最高品質 極限の寒冷地での使用
JK
街着なら600〜700で十分で、雪山行くなら800以上ってことですね。
先生
そうだ。マムートのDRY DOWNコレクションは750フィルパワー以上を基準にしているから、どれを選んでも高品質なダウンであることは間違いない。
JK
でも待ってください。ダウンって濡れたら終わりって聞いたことあるんですけど…雪山で使って大丈夫なんですか?
先生
いいところに気づいたな。実はそれを解決するのが、マムートの「DRY DOWN」技術なんだ。

DRY DOWNって何がすごい?濡れても大丈夫なダウンの秘密

JK
DRY DOWN…ドライダウン。乾いたダウン?名前はなんかカッコいいですけど、普通のダウンと何が違うんですか?
先生
ダウンの最大の弱点は「濡れると保温力が落ちる」ことだ。羽毛が水分を吸うとペタンコになって、空気を閉じ込められなくなる。
JK
あー、わかります。雨に濡れたダウンって悲惨ですよね。
先生
そうだ。でもマムートのDRY DOWNは、その弱点を克服している。2つのアプローチがあるんだ。

DRY DOWN技術のポイント

  1. 撥水加工ダウン: ダウン自体にNikwax社のPFCフリー撥水加工を施している。従来のダウンより吸水率90%低減乾燥速度30%向上

  2. 防水表地+シームテープ: 表地にPertex Shieldなどの防水透湿素材を使い、さらにシームテープで補強。ダウンへの水の侵入を防ぐ。

参考情報: 「ダウン自体に撥水加工(例:Nikwax社のPFCフリー撥水加工)が施されており、従来のダウンと比較して90%の吸水率低減、30%速い乾燥を実現しています」

出典https://www.mammut.com/jp/ja

JK
へー!じゃあ雪がついても大丈夫ってこと?
先生
完全防水ではないが、雪や小雨程度なら保温力を維持できる。雪山で休憩中に雪がついても、以前ほど神経質にならなくて済むようになった。
JK
それは便利かも。でも、その加工って環境に悪くないんですか?最近そういうの気になるんですよね。
先生
いいところに気づいたな。Nikwax社の撥水加工はPFCフリー、つまり環境負荷の高いフッ素化合物を使っていない。2025年秋冬コレクションでは、染料を使わない「Undyed(アンダイド)」コレクションも出ている。無染色のリサイクル生地を使って、製造工程での水使用量を削減しているんだ。
JK
マムートって環境のことも考えてるんですね。ちょっと好感度上がりました。

軽量コンパクトの定番!「Broad Peak IN」を徹底解説

Image Prompt: マムートのBroad Peak INダウンジャケットを着た登山者が、山頂で休憩中にコンパクトに収納されたジャケットをザックから取り出しているシーン。

先生
まずは一番人気の「Broad Peak IN」から紹介しよう。マムートのダウンジャケットの中では、最も使いやすく汎用性が高いモデルだ。
JK
Broad Peakって山の名前ですよね?パキスタンにある8000m峰。
先生
おっ、よく知っているな。その名の通り、本格的な登山でも使える実力を持っている。

Broad Peak INの特徴

JK
具体的にどんなところがいいんですか?
先生
まず、800フィルパワーのグースダウンを115g使用している。800FPというのは超高品質に分類される。

参考情報: 「重量は約380gで、800フィルパワーの責任ある調達に基づいた疎水性グースダウン115gを封入」

出典https://www.mammut.jp/item/mammut_1013-01830

JK
115gって少なくないですか?
先生
ダウン量だけ見ると少なく感じるかもしれないが、800フィルパワーの高品質ダウンだから、少ない量でも十分な保温力がある。むしろ、この軽さがメリットなんだ。全体の重量は約380〜460g
JK
軽いですね!ペットボトル1本くらい?
先生
そうだ。しかも、サイドポケットに本体を収納できるパッカブル仕様だから、使わないときはザックの中でかさばらない。

Broad Peak INの機能詳細

JK
フードはついてるんですか?
先生
ついている。伸縮性のある調節可能なフードだ。ジッパーはYKK VISLON® 2-wayタイプで、上からも下からも開閉できる。
JK
2-wayジッパーって何がいいんですか?
先生
ハーネスを装着しているときや、ザックを背負ったままのときに便利だ。下から開けて換気したり、動きやすくしたりできる。

主なスペック

  • 重量: 約380〜460g(モデルによる)
  • フィルパワー: 800cuin
  • ダウン量: 115g(疎水性90/10グースダウン)
  • 表地素材: リサイクルPertex® Quantum
  • ポケット: 胸ポケット×1、ハーネス対応サイドポケット×2

ユーザーの評価

JK
実際に使ってる人はどう言ってるんですか?
先生
評判はかなりいい。特に「軽いのに暖かい」という声が多い。

参考情報: 「超軽量で暖かく、極寒から温暖まであらゆる条件に最適」

出典https://viranomainen.fi/mammut-broad-peak-review

JK
デメリットはないんですか?完璧すぎて逆に怪しいんですけど。
先生
正直に言うと、いくつかある。まず、価格が高い。約35,000〜45,000円程度だ。
JK
うわ、けっこうしますね…。
先生
それと、サイズ選びが難しい。マムートはヨーロッパサイズだから、日本のサイズ感と違う。必ず試着することをおすすめする。
JK
他には?
先生
収納がやや難しいという声もある。コンパクトにはなるが、ポケットに押し込むのにコツがいる場合があるようだ。

こんな人におすすめ

  • 軽量コンパクトなダウンを探している人
  • ミドルレイヤーとしてもアウターとしても使いたい人
  • 日帰り登山から縦走まで幅広く使いたい人
  • 街着としても使えるシンプルなデザインを求める人

注意点

  • ヨーロッパサイズのため試着必須
  • ミドルレイヤーとして着る場合は1サイズ上を検討
  • 極寒地(マイナス15℃以下)では単体での使用は厳しい場合も

ビレイジャケットの実力派!「Taiss Pro IN」を徹底解説

Image Prompt: マムートのTaiss Pro INダウンジャケットを着たクライマーが、雪壁でビレイ中にハーネスの上から着用しているシーン。ヘルメット対応フードが印象的。

JK
次は…Taiss Pro?読み方すら自信ないんですけど。
先生
「タイス プロ」と読む。スイスの山の名前だ。これはビレイジャケットとしても使える、より本格的なモデルだな。
JK
ビレイジャケットって何ですか?
先生
ロッククライミングや氷壁登攀で、パートナーを確保している間に着る防寒着のことだ。じっと動かないから体が冷える。そこで、ハードシェルの上からサッと羽織れる保温着が必要になる。

参考情報: 「氷点下でのビレイ、ビバーク、スキー滑走に不可欠な、ハードシェルの上から着用することを想定したダウンジャケット」

出典https://www.mammut.jp/taiss-pro-belay

Taiss Pro INの特徴

JK
Broad Peakと何が違うんですか?
先生
まず、フィルパワーが850FPと高い。そしてダウン量も180gとたっぷり入っている。
JK
800FPと850FPって、そんなに違うんですか?
先生
体感できるほどの差があるかは微妙だが、数値上はより軽量で暖かい。何より、ダウン量が多いから単純に保温力が高い。

主なスペック

  • 重量: 約461〜578g(モデル・サイズによる)
  • フィルパワー: 850FP(DRY DOWN)
  • ダウン量: 180g
  • 表地素材: 10D Pertex® Quantum Pro
  • 構造: ボックスウォール構造
JK
ボックスウォール構造って何ですか?
先生
ダウンを閉じ込める「仕切り」の作り方だ。普通のステッチスルー(縫い通し)構造だと、縫い目の部分でダウンが潰れて「コールドスポット」ができる。ボックスウォール構造は、仕切りに壁を作ることで、ダウンが均一に広がるようにしている。
JK
なるほど、縫い目から冷気が入ってこないってことですね。
先生
その通りだ。Taiss Proは「コールドスポットを最小限に抑える」設計になっている。

機能のこだわり

先生
このモデルは細部にもこだわりが詰まっている。
JK
例えば?
先生
フードはヘルメット対応で、1点調整システムがついている。グローブをしたままでも操作しやすい大きめのジッパープルもある。
JK
グローブしたままって大事ですよね。冬山で素手出すの辛いですもん。
先生
そうだ。ポケットも充実している。ハーネス対応サイドポケット2つ、胸ポケット1つ、内側にはパワーメッシュポケットとジッパー付きポケット。合計6つのポケットがある。
JK
ポケット多いのはいいですね!スマホとか行動食とかすぐ出したいし。
先生
表地にはPertex Diamond Fuseテクノロジーが使われていて、10デニールという極薄素材なのに、擦れにも強い。岩に触れてもすぐには破れにくい。

こんな人におすすめ

  • 雪山登山やアイスクライミングをする人
  • ビレイ中の保温着を探している人
  • ハードシェルの上から着られるダウンが欲しい人
  • 高い保温力と機能性を両立させたい人

注意点

  • 価格は約50,000〜60,000円と高価
  • ビレイジャケットとして設計されているため、サイズはややゆったり
  • 行動着としてはオーバースペックになる場合も

軽量化の極み!「Eiger Nordwand Light Down IN」を徹底解説

Image Prompt: マムートのEiger Nordwand Light Down INを着たアルパインクライマーが、険しい雪稜を登攀している写真。軽量でスリムなシルエットが印象的。

JK
Eiger Nordwand…アイガー北壁ですか?めちゃくちゃガチっぽい名前ですね。
先生
その通りだ。マムートの最高峰ライン「Eiger Extreme」コレクションに属するモデル。アイガー北壁は1962年にマムートのロープが初登頂に使われた、ブランドにとって象徴的な山だ。
JK
へー、歴史があるんですね。で、このダウンは何がすごいんですか?
先生
900フィルパワーのダウンを使っている。これはマムートのラインナップでも最高レベルだ。

参考情報: 「責任ある調達に基づく900フィルパワーのDRY DOWNと、湿りやすい部位に配置されたリサイクルG-LOFT® ECO EVOX化繊インサレーションを採用」

出典https://www.mammut.jp/eiger-nordwand-light-down

Eiger Nordwand Light Down INの特徴

JK
900フィルパワー!じゃあめちゃくちゃ暖かいってことですか?
先生
正確に言うと、同じ暖かさをより軽く実現できるということだ。このモデルの重量は約405g。900FPのダウンを120g使っている。
JK
800FPのBroad Peakと重さほとんど変わらないのに、フィルパワーが100も高いってことですか?
先生
そうだ。さらにこのモデルにはもう一つの工夫がある。脇の下や肩など、濡れやすい部位には化繊インサレーションを配置している。
JK
化繊?ダウンじゃないんですか?
先生
そう。「G-LOFT® ECO EVOX」というリサイクル化繊を使っている。化繊は濡れても保温力が落ちにくい。汗をかきやすい部位にダウンを使うと、湿気で性能が落ちるリスクがある。そこを化繊でカバーしているんだ。
JK
賢い…。ダウンと化繊のいいとこどりってことですね。

主なスペック

  • 重量: 約405g(メンズEU M)、約380g(ウィメンズ)
  • フィルパワー: 900FP(DRY DOWN)
  • ダウン量: 約120g
  • 表地素材: 20D Pertex® Quantum リップストップ(Diamond Fuse技術)
  • 追加断熱: G-LOFT® ECO EVOX化繊

サステナビリティへの配慮

先生
このモデルはサステナビリティにもこだわっている。
JK
環境に優しいってことですか?
先生
そうだ。リサイクル素材を使っていること、修理可能に設計されていること、リペアキットが付属していること。長く使ってもらうことを前提に作られている。表地の糸は染料を使わないソリューション染色で、資源と水の使用量を削減している。
JK
リペアキット付きって珍しくないですか?
先生
マムートの本気度がわかるだろう?現場で破れても、応急処置ができる。

こんな人におすすめ

  • ファスト&ライトスタイルで登山する人
  • gあたりの保温力を最大化したい軽量化志向の人
  • アルパインクライミングで1gでも軽くしたい人
  • 環境配慮を重視する人

注意点

  • 価格は約60,000〜70,000円と最も高価
  • 非常に薄い生地のため、藪漕ぎなどでは破れやすい
  • 軽量さを追求しているため、極寒地での単体使用は想定外

街から山まで!「Convey 3 in 1」を徹底解説

Image Prompt: マムートのConvey 3 in 1ジャケットを着た人が、都会の街中で颯爽と歩いている写真。機能的でありながらスタイリッシュなデザインが印象的。

JK
Conveyは…「運ぶ」とかそういう意味ですよね?
先生
そうだ。このモデルは「3 in 1」システムが特徴だ。
JK
3 in 1?3つで1つ?
先生
ハードシェルジャケットと、取り外し可能なダウンジャケットがセットになっている。
  1. ハードシェル単体
  2. ダウンジャケット単体
  3. 両方を組み合わせ

これで3つの使い方ができる。

参考情報: 「街着としてもハマる万能さ」「ベーシックなデザインは登山から日常使いまで対応します」

出典https://www.mammut.jp/convey-3in1

Convey 3 in 1の特徴

JK
なるほど!秋はダウンだけ、冬は両方、春はハードシェルだけ、みたいな使い方ができるってことですか?
先生
その通り。「山でも街でも、雨の日も。秋も冬も、春が来ても活躍する」というコンセプトだ。
JK
街着としても使えるんですね。デザインはどうなんですか?
先生
ベーシックで落ち着いたデザインだから、通勤やタウンユースでも浮かない。アウトドアブランドらしい機能性は残しつつ、カジュアルにも着られる。

主なスペック

  • 全体重量: 約785g
  • アウターシェルのみ: 約300g
  • アウター素材: GORE-TEX® Paclite®
  • インナー素材: 100%リサイクルポリエステル Pertex® Quantum(PFCフリー撥水加工)
  • ダウン構成: 胴体部分ダウン+腕・肩部分合成繊維
JK
腕と肩だけ化繊?
先生
そうだ。ハイブリッド構造と呼ばれる設計で、動きの多い腕と肩は速乾性のある化繊、胴体は保温力の高いダウンを使い分けている。
JK
汗で濡れやすいところは化繊ってことですね。さっきのEiger Nordwandと同じ発想だ。
先生
よく覚えているな。

こんな人におすすめ

  • 1着で多用途に使いたい人
  • 街着と登山用を兼用したい人
  • 初めてアウトドアジャケットを買う人
  • 3シーズン(秋・冬・春)の汎用性を求める人

注意点

  • 全体重量は約785gと重め
  • 超軽量を求めるハードな登山には不向き
  • ダウン単体の保温力は他モデルより控えめ

ミドルレイヤー vs アウター どう使い分ける?

JK
先生、そもそもダウンって「中に着る」のと「外に着る」のがあるって言ってましたよね。どう使い分ければいいんですか?
先生
いい質問だ。登山のレイヤリング、つまり重ね着の考え方を理解することが大事だ。

レイヤリングの基本

先生
登山ウェアは基本的に3層で構成される。
  1. ベースレイヤー(肌着): 汗を素早く吸い上げ、肌をドライに保つ
  2. ミドルレイヤー(中間着): 体温を保持しながら、汗を外へ逃がす
  3. アウターレイヤー(一番外側): 雨・風・雪から体を守る
JK
ダウンはどこに入るんですか?
先生
ダウンは使い方によって「ミドルレイヤー」にも「アウターレイヤー」にもなる。これが混乱のもとだな。

インナーダウン(ミドルレイヤーとして使う場合)

先生
薄手で軽量なダウンは、ハードシェルやソフトシェルの下に着て、ミドルレイヤーとして使う。
JK
どんなときに使うんですか?
先生
例えば、11月の北アルプスを縦走するとき。行動中は暑くなりすぎるからダウンは着ない。でも稜線で風が強くなったら、ハードシェルの下にダウンを着込む。
JK
行動中は暑くて、止まると寒いですもんね。
先生
そうだ。Broad PeakやEiger Nordwand Light Downは、このインナーダウンとして使いやすい。薄くて軽くて、かさばらないからザックに入れておける。

アウターダウン(一番外に着る場合)

先生
厚手で保温力の高いダウンは、最終的な防寒着として使う。主に、行動を停止しているときに着る。
JK
動いているときは着ないんですか?
先生
動いていると暑すぎるんだ。それに、汗をかくとダウンが湿気で性能低下する。だから、休憩中や、テント泊の夜、ビレイ中などに着る。
JK
Taiss Proがビレイジャケットっていうのはそういうことだったんですね。
先生
その通り。Taiss Proはハードシェルの上から着ることを想定しているから、サイズも少しゆったりしている。

マムートモデル別の使い分け

モデル 主な使い方 用途シーン
Broad Peak IN ミドルレイヤー/軽量アウター両用 日帰り〜縦走、休憩時の保温
Taiss Pro IN ビレイジャケット(ハードシェル上から) 雪山登山、アイスクライミング中の確保
Eiger Nordwand Light Down 軽量ミドルレイヤー ファスト&ライト登山、アルパイン
Convey 3 in 1 3-in-1システム 街着〜軽登山、3シーズン対応
JK
なるほど…自分がどういう使い方をしたいかで選べばいいんですね。
先生
その通りだ。

お手入れ・メンテナンスの秘訣

JK
高いダウン買ったとして、長持ちさせるにはどうすればいいんですか?洗濯とか怖いんですけど。
先生
ダウンのお手入れは確かに少しコツがいる。でも、正しくやれば長く使える。

自宅での洗濯方法

先生
まず、洗濯表示を必ず確認すること。マムートのダウンは基本的に自宅洗い可能だ。

参考情報: 「洗濯機を使用する場合は、できるだけ低温(30℃程度が理想的)で、優しい洗濯コースを設定します。ダウン専用洗剤を使用してください」

出典https://www.mammut.jp/care-instructions-down

洗濯の手順

  1. 準備: 汚れをブラシで落とす、ポケットを空にする、ジッパーを閉じる
  2. 洗濯: 洗濯機で30℃程度、優しいコース。ダウン専用洗剤を使用
  3. すすぎ: 2回、脱水は低速
  4. 乾燥: タンブル乾燥が効果的。テニスボール3個を一緒に入れて低温で乾燥
JK
テニスボール!?なんですかそれ?
先生
ダウンが固まるのを防ぐためだ。テニスボールがゴロゴロ回りながらダウンを叩いてほぐしてくれる。ドライヤーボールという専用品もあるが、テニスボールで十分だ。
JK
面白い…。乾燥機がない場合は?
先生
平干しして、完全に乾くまで時間をかけること。生乾きだとカビや臭いの原因になる。暖房器具や直射日光の下で乾かすのはNGだ。

日常のお手入れ

先生
普段のちょっとした気遣いも大事だ。
  • 使用後は湿気と汚れを取り除く
  • ブラッシングでホコリを落とす
  • 直射日光を避けて吊るして保管
  • シーズンオフは通気性の良い場所で保管(圧縮袋はNG)
JK
圧縮袋ダメなんですか?
先生
ダウンを長時間圧縮すると、羽毛が痛んでふくらみが悪くなる。収納袋で持ち運ぶのは短期間ならOKだが、長期保管は吊るして自然な状態で。

プロのクリーニング

先生
年に1回程度は、ダウン専門のクリーニングに出すのもおすすめだ。特に皮脂汚れが気になるようになったら。
JK
普通のクリーニング屋さんでいいんですか?
先生
ダウンに対応しているか確認すること。一般的なドライクリーニングだと、羽毛の油分が抜けてしまうことがある。専門店に出すのが安心だ。

他ブランドとの比較 〜マムートを選ぶ理由〜

JK
先生、ぶっちゃけマムート以外にも良いダウンってあるじゃないですか。パタゴニアとかアークテリクスとかモンベルとか。何が違うんですか?
先生
いい質問だ。各ブランドにそれぞれの強みがある。

主要ブランドの特徴

ブランド 特徴 強み 適したユーザー
マムート 本格登山・クライミング特化 高耐久、DRY DOWN技術 信頼性重視のプロ志向
パタゴニア 環境配慮、タウンユース対応 リサイクル素材、RDS認証 環境意識が高く汎用性重視
Arc'teryx 最高級機能性、ミニマルデザイン 究極の品質と保証 デザイン・品質に妥協しない
モンベル 軽量・高機能・コスパ 800FP EXダウン、低価格 コスパ重視の幅広い層
ノースフェイス 機能性とファッション性のバランス 幅広い層に人気 日常〜アウトドア両用

参考情報: 「マムートは本格的な登山やクライミングに特化した高機能・高耐久性。プロフェッショナルな印象」

出典https://travel-sphere-explorer.com/outdoor-brand-comparison

JK
モンベルってやっぱりコスパいいんですか?
先生
そうだな。同等スペックで比べると、モンベルは他ブランドより2〜3割安いことが多い。ただ、マムートにはDRY DOWN技術LOOPINSULATION(リサイクルロープ繊維を使った化繊)など、独自の技術がある。
JK
Arc'teryx(アークテリクス)はどうなんですか?最近人気ですよね。
先生
Arc'teryxは確かに素晴らしい。ただ、価格はマムートよりさらに高い。そして、どちらかというと「街でも映えるデザイン」に強みがある。
JK
マムートはそこが弱いってことですか?
先生
弱いというより、方向性が違う。マムートはあくまで「山で使う」ことを最優先に設計している。デザインはシンプルで落ち着いているが、機能面での妥協がない。
JK
プロっぽい、ってことですね。
先生
そうだ。マムートのロゴ、マンモスのマークを見ると「ガチで山やってる人」という印象を持つ人も多い。

価格帯と選び方のまとめ

JK
最後に、価格と選び方をまとめてもらえますか?
先生
わかった。

価格帯(2024-2025年モデル)

モデル 価格帯(税込) 用途
Broad Peak IN 約35,000〜45,000円 汎用・コスパ重視
Gravity IN 約45,000円 カジュアル
Melon Insulation 約52,000円 街着〜ライト登山
Undyed IN 約58,000円 環境配慮
Taiss Pro IN 約50,000〜60,000円 ビレイ・雪山
Eiger Nordwand Light Down 約60,000〜70,000円 アルパイン・軽量化
Floeberg HS Thermo Coat 約82,500円 ハイエンド防寒コート

用途別おすすめ

先生
最後に、用途別のおすすめをまとめよう。
用途 おすすめモデル 理由
軽量ハイキング・持ち運び重視 Broad Peak IN 軽量コンパクト、汎用性高い
本格アルパイン・ビレイ Taiss Pro IN 850FP、ボックス構造、ヘルメット対応
ファスト&ライト・軽量化最優先 Eiger Nordwand Light Down 900FP、ハイブリッド断熱
街着〜軽いアウトドア Convey 3 in 1 3-in-1システム、汎用性
厳冬期・雪山 Meron IN / Taiss Pro IN 高保温力、耐候性
環境配慮を重視 Undyed IN 無染色リサイクル素材

比較表

Broad Peak IN Taiss Pro IN Eiger Nordwand Light Down Convey 3 in 1
フィルパワー 800FP 850FP 900FP -
重量 約380〜460g 約460〜580g 約405g 約785g(全体)
ダウン量 115g 180g 120g -
主な用途 汎用 ビレイ・雪山 アルパイン 街着〜登山
価格帯 約35,000〜45,000円 約50,000〜60,000円 約60,000〜70,000円 約50,000円〜
特徴 軽量コンパクト 高保温・ヘルメット対応 900FP+化繊ハイブリッド 3-in-1システム
おすすめユーザー 初心者〜中級者 雪山・クライマー UL志向・アルパイニスト 汎用性重視

最後に

JK
先生、だいぶわかってきました!私は街でも使えてコンパクトなのがいいから、Broad Peakかな。
先生
いい選択だと思う。ただ、必ず店頭で試着することをおすすめする。ヨーロッパサイズだから、サイズ感の確認は必須だ。
JK
わかりました!あと、フィルパワーが高ければいいってわけじゃなくて、自分の用途に合ったものを選ぶのが大事ってことですよね。
先生
その通りだ。マムートのダウンは価格は高いが、DRY DOWN技術や細部のこだわりなど、値段に見合う価値がある。長く使えるから、結果的にはコスパも悪くない。
JK
大事に使います!洗濯のときはテニスボール忘れないようにしますね。
先生
ははは、そうだな。道具は正しくメンテナンスすれば、何年も使える。良いダウンを手に入れて、冬の山を楽しんでくれ。
JK
はーい!ありがとうございました、先生!